黒染めした後、髪色を明るくできますか?
ハイトーンヘアや白髪のある髪を手っ取り早くダークトーンに戻すことができる「黒染め」。ファッション的な意味合いだけでなく、就職活動などで行う方もいるかもしれませんね。便利な黒染めですが、意外とガッツリ染まるため、その後のカラーが不安になってしまいます。黒染め後のカラーはしっかりトーンアップできるのかどうか、調べたことをまとめました。
黒染めの後のカラーリングは意外と難しい!?
結論からいうと、できないことはありません。
ただ黒染めをした後にカラーをすると、染まりづらくなったり、ムラになったりしやすくなる場合が多いため注意が必要です。
黒染め→カラーリングのポイント
黒く染めるのは簡単ですが、黒から明るく染めるのは難しいのです。
黒染めの染料は通常のファッションカラーの色味よりも濃く、髪の中から抜けづらい配合になっています。そのため、新しく色を入れたとしても黒い染料が邪魔をして、思った色味が出なかったり、明るい発色の色味に勝ってしまいます。
また、黒染めした部分よりも新たに伸びてきた髪の方が染料に染まりやすいため、根元や黒染めの色素が抜けてしまった部分だけ明るく、黒染めの部分は暗い色のまま染めムラになってしまいます。
黒染めに使用していた染料が何かなんて覚えませんよね。美容室では履歴が残るので安心ですよ!
この黒染めの染料は1年ほどたっても残っていることがあり、伝え忘れたまま美容室でカラーをすると、プロのスタイリストでも綺麗に染められないことがあります。
髪の傷み具合で染料の残り方は変わってくるので一概には言えませんが、行きつけの美容室で黒染めをしてもらうと、カルテなどに記録が残るため対処方法が判断しやすく、その後カラーがしたくなったときも比較的、綺麗に染めてもらえる可能性が高くなります。
また、ホームカラーの黒染めはサロンで使用する黒染めの薬剤よりも染料が濃いため(どんな髪の方でもしっかり黒く染まるように)、よりその後のカラーリングが難しくなる傾向があります。しかし、この黒い染料を分解し、理想の色に近づける方法がないわけではありません。
黒染めの染料を抜く方法①ブリーチ剤で脱色する
髪への負担はありますが、ブリーチ剤でも脱色は可能です。
ブリーチ剤を使用することで黒い染料を脱色する方法があります。ただ、完全に黒い染料が抜けきらなかったり、黒い染料の残り具合によっては何度かブリーチを繰り返す必要が出てくるため、その分髪がダメージを受ける可能性があります。
ですので、髪質に合うようにブリーチ剤の強さを調節したり、放置する時間や、ブリーチをする回数などしっかりと見極めて施術しなければなりません。ですが、そうすることで髪にかかる負担を最小限で済むように調節することができます。
ブリーチ剤を使うと髪はどうなるの?
写真は名古屋の美容室 Brooch金山 のスタイル写真より
ブリーチ剤を使うと、黒染めの色素を分解しつつ、地毛のメラニン色素も壊していくために髪をグッと明るくすることができます。
最初に髪はオレンジ色に抜けていきますが、何度かブリーチを繰り返していくとどんどん黄色く明るくなっていきます。
黒染めの色素は濃く染まっている所と薄く染まっている所があるのでプロの美容師でもムラに抜けやすいです。そのために何度かブリーチをして均一に明るくする必要があります。
ブリーチ剤は強い薬剤なので黒染めの染料を分解できますが、同時に髪のメラニン色素も壊していくのでパサつきや引っかかりやすくなります。ですが、傷まないようにサロンでトリートメントケアをしながらブリーチをするので、必要以上に髪が傷むことはないので安心してください。
ディレクター・松本の髪の写真です。色が抜けて黄色くなった部分がブリーチをした箇所。ブリーチ直後もこのような色合いになりやすいです。
また、基本的にはブリーチをした後はギラギラした黄色になる場合が多いので、もう一度ヘアカラーをして色味を重ねる必要があります。これによって透明感のある透き通った淡いヘアカラーにすることができます。
ですが、ブリーチの後はヘアカラーの色が抜けやすいため、もちろん自宅でのアフターケアも必要となります。ヘアカラーの色持ちを良くするためにも、毛先を傷ませないためにも栄養素のしっかり入るタイプのシャンプーやトリートメントでしっかりお手入れしましょう。
向いている人
こちらは美容室に行った直後の松本の写真。ブリーチした箇所にきれいなパープルが入っているのがわかると思います。
ブリーチをするのに向いている人は黒染めをしていたけれど、明るいヘアカラーにしたい人、もしくは透明感のあるヘアカラーをしたい人です。
髪へ少し負担のかかる薬剤なので、「しばらく明るいヘアカラーをキープしたいな」という人は特に向いています。明るさや色味を毎回コロコロ変えたい人は髪への負担が大きいため、ブリーチ剤を使うことはあまりおすすめできません。
マイナスポイントばかり聞くかもしれませんがブリーチ剤を使うと淡く繊細なヘアカラーが楽しめます。また、ハイライトなどのデザインに使うことも多いので今ではとてもメジャーな薬剤です。
黒染めの染料を抜く方法②脱染剤で分解する
扱っている美容室は限られますが、脱染に特化した薬剤です。
もう1つの方法は「脱染剤」という薬剤で、黒い染料を分解する方法です。完全に黒い染料を落とし切ることはできませんが、ブリーチ剤よりダメージを抑えて明るくすることは可能になります。
元々の髪色を壊さず、黒染めの成分のみを抜き取るイメージです。ただ、こちらは扱っている美容室が限られているため、希望される方は事前に確認することをオススメします。その場合は「ブリーチ剤以外に黒染めを取る薬剤はありますか?」とサロンに確認してみるとスムーズです。
脱染剤を使うと髪はどうなるの?
脱染剤の使用で起きるトーンアップは、黒染めの成分を分解できたということです。
髪質や脱染剤の種類にもよりますが、髪は赤色に抜けやすいです。中には黄色やベージュに抜ける場合もあるので一概には言えませんが、黒染めの染料のみを分解するのでもともとのメラニン色素は壊されません。
脱染剤は黒染めのみを分解するのですが、やはり髪へ負担がかかるのでどうしても黒染めする前の髪の明るさから1〜2レベルくらいは明るくなってしまいます。
ムラに染まらないようにたっぷりと髪に脱染剤をつけるので「大丈夫かな」と不安になる人もいますが、黒染めをした部分のみしか色が抜けていかないので安心してくださいね。
脱染剤使用後のカラーをどうするかはしっかり美容師さんと話し合って決めましょう。
脱染剤で施術した後もブリーチ剤と同様にもう一度ヘアカラーをして色味を重ねる必要があります。脱染剤を使った後の赤色や黄色などになった髪色を消しつつ希望の明るさや色味になるようにヘアカラーをします。
中には「脱染剤をした後の髪色でいい」と言われる場合もありますが、根元のリタッチが必要だったり、色味を長持ちさせるためにあえて似たような色味でヘアカラーをおすすめすることもありますので、しっかり美容師と相談してください。
ブリーチ剤に比べると髪への負担は少ないのですが、脱染剤を使った後もホームケアには気をつけましょう。キューティクルを整えたり、パサつきのおさまるシャンプーやトリートメントがおすすめです。
向いている人
カラーを大幅チェンジする時に必要になる技術です。
脱染剤を使うのに向いている人は、黒染めをした後ほんの少し明るくしたい人や、長年続けてきた白髪染めなどの色味を変更したい人です。
ヘナやマニキュアでの黒染めから色味変更をしたい場合や、普通のカラー剤へ移行していきたいときの前処理として使うこともあります。
ヘナやマニキュアで髪をコーティングして色がついているように見えているため、脱染剤によってこのコーティングを剥がしておかないと次にするヘアカラーがムラに染まったり希望の色にならないからです。
また、早くグレイヘアにしたい場合にも前処理として黒染めや白髪染めの色素を分解することができるので、最近では需要も多くいろんなタイプの脱染剤が各メーカーから出されています。
実力のある美容師さんならしっかりとあなたのニーズに応えてくれるでしょう。
ブリーチ剤も脱染剤も、どちらも髪に負担がかからないわけではないので、しっかりとした技術のあるサロンで施術してもらいましょう。また、美容師とよく相談して、かかる時間や金額なども確認してください。
美容師も、お客様に安心してもらえるようにブリーチ剤や脱染剤についてよく勉強していますし、高い技術で喜んでもらえるように髪に塗る練習も繰り返ししてきているので、安心してカラーチェンジを楽しんでください!