ヘアカラー&ブリーチ大好き現役美容師がブリーチカラーの基本とスタイルデザインをまとめてみた
近年外国人風カラーや、透明感カラーなどのワードがSNSなどで拡散されるようになりましたよね。そのカラーにはブリーチが必須なスタイルも多くなってきています。なんとなく悪いものなんでしょ?というイメージでよくわからないという方が多いと思います。ぜひ、こちらの記事を参考にして下さい。
そもそもブリーチって何?
日本人と欧米人は元々持っているメラニンの量が異なります。
率直に言いますとブリーチとはヘアカラーではなく脱色剤なんです。
つまり、髪の毛の元々の色を抜くわけです。メラニン色素という元々の色を抜くので、金髪に髪を染めているわけではないという違いがあります。
もう少し詳しく解説していきますね。
髪の毛は生まれてきた時から色がついています。日本人ならダークブラウン、欧米人ならブロンドというように元々持っているメラニン色素によって色が違います。
メラニン色素には2種類ありまして、フェオメラニンとユーメラニンです。フェオメラニンは赤茶色~黄色の色素で、ユーメラニンは黒色~こげ茶色の色素です。
この2つのメラニンのどちらが多く髪に含まれているかでその人の元々の髪色が決まってきます。
ユーメラニンの量が多いと黒色で、少ないとこげ茶色というように、フェオメラニンが多ければブロンドというように。
メラニン色素のタイプによって、変色度合いが違ってくるのです。
日本人の多くの人はユーメラニンベースの色素の方が多いです。しかし、周りに地毛でかなり茶色い方もいませんか?
そういう方はフェオメラニンベースの色素というわけですね。
こんな話しを聞いたこと、もしくは体験したことはありませんか?
「ブリーチをしたのに思ったよりも明るくならなくてオレンジっぽくなったんだよね。」
「私は逆で抜けすぎて白っぽくなったよ!」
どちらかに心あたりありませんか?多くの日本人は前者が多いのですが。
これってどういうことかというと、どっちのメラニンが多いのかが問題なんです。
ブリーチは髪を染めているのではなく色素を抜いているのです。
メラニンを分解するに当たって、先に分解されるのがユーメラニンなんです。
なので、ブリーチの放置時間やブリーチをする回数によって、「黒→こげ茶色→茶褐色→赤褐色→オレンジ→黄色→薄黄色」と、だんだんと明るくなってくるのです。
つまり1回のブリーチでオレンジで止まってしまうのは、ユーメラニンが多く地毛が黒よりだから。
逆に薄黄色まで行く人は地毛が明るく茶色っぽくユーメラニンが薄い。またはフェオメラニンが多いと、いうわけです。
難しい単語も使いましたが、かんたんに言ってしまうとブリーチとは髪を染めて黄色にするわけではなく、メラニンを分解した結果黄色く見えてる状態にする薬剤という感じですね。
カラーとは何が違うの?
カラーは、「脱色」と「染色」を同時にしています!
先ほど書いたようにまず根本的にブリーチがカラーと違うのは染めるのではなく、脱色するということ。
では、カラーとは何か?というと、脱色と染色を同時に行うのです。なんとも有能な雰囲気があります。
もう少し詳しく話しましょう。
カラーは1剤と2剤に分かれています。1剤と2剤を混ぜることにより、髪の毛の内部に入ってブリーチ同様メラニンを脱色させます。
それと同時に髪の内部に染料を置いていきます。そうすると中で大きくなり抜けなくなった染料が発色し、メラニンを染めるという仕組みです。
ただし、メラニンを分解する力はブリーチに比べて小さいです。
そうする事で髪色を変えているわけなんです。ここで重要なのがブリーチと同様とは書きましたが、メラニンを分解する力がブリーチに比べて非常に弱いのです。
思ったような色合いが出せないのは、ユーメラニンが分解しきれず、髪の内部で発色させても黒やこげ茶に負けてしまい色が見えてこないのです!
だってそうですよね?黒い画用紙の上に青い絵の具で色付けしても鮮やかな青には見えません。
そこでブリーチが必要ということです。ユーメラニンをしっかりと分解させることで、白い画用紙の状態に近づけてカラー剤本来の色が発揮される土台を作るのがブリーチ最大の役割というわけです。
どんな色ができるの?
ブリーチじゃないとできない色というのがやはりあります。例えばシルバーやグレー。緑や青、ピンクといったビビッドな発色のカラーなどですね。
最近ではユニコーンカラーというペール系のカラフルな色をたくさん使ったスタイルも人気ですが、こういったデザイン性の高いカラーはブリーチも1回抜くだけではなかなか難しいですね。
ブリーチの回数によってどんな色ができるのか参考までに挙げていきます。
1回ブリーチの場合
ベージュ系
オレンジ系
ダークグレー系
ブリーチ1回だと「ベージュ系」や「オレンジ系」の色か、もしくは濃い色であれば「グレー系」も染まる可能性はありますね。
2回ブリーチの場合
シルバー系
ミルクティーベージュ系
ピンク系
2回ブリーチだと1回ブリーチよりも、もう少し透け感のあるカラーが可能になります。
「シルバー系」や「ミルクティーベージュ系」「ピンク系」なんかも染めやすくなりますね。
ブリーチ3回以上の場合
ペール系カラー
ビビッド系カラー
ホワイト系カラー
3回以上で「ペール系のカラー」や「ビビッド系のカラー」「ホワイト系」などが可能域になってきます。ここまでくるとダメージの蓄積が心配になってきますが、近年薬剤は飛躍的な進化を遂げています。
ダメージが心配
ブリーチをするにあたって避けては通れないのがダメージです。では、皆さんはブリーチをするとどんなダメージになると想像しているでしょうか。
「指通りが悪くなる」「髪が切れる」「パサついてまとまらない」などが挙げられるでしょうか。それらのダメージはブリーチだけの原因ではないのです。ブリーチはあくまでダメージのキッカケにしか過ぎないのです。ブリーチをしているスタイルの画像をご覧ください。
ブリーチ4回
ブリーチ3回(毛先は黒染め履歴有りで少し暗め)
ブリーチ2回毛先3回
どうですか?こちら全てアイロンなどはしておらずドライヤーで乾かした状態です。
3枚目に関してはトリートメントもしておりません。
ブリーチ=ダメージではなくなってきてるのです。例えば今はケアブリーチという、髪の毛を補強しながら明るくするブリーチもあります。
ダメージがゼロではありませんがかなり軽減できます。あとはきちんとしたダメージ処理やブリーチの施術をすれば、強いダメージは避けられるわけなんです。
この部分は美容師任せになるので、きちんとブリーチに対して知識のある美容師選びが必要になってきます。
インスタやSNSでスタイルをあげてる美容師に頼るのも良し、ベストサロンレポートでもカラーが得意な美容室の特集があるのでそこから探しても良いですし、ブリーチカラーに関しては特に美容師や美容室をしっかり選ぶ事をオススメ致します。
色持ちも悪いでしょ!?
色が抜けやすいのは確かですが、工夫次第で出来るだけ長持ちさせることもできます。
こういった意見やイメージも、ブリーチカラーに関してはやはりありますよね。
まず最初にはっきり言ってしまうと、色持ちはあまり良くありません。というか、通常のカラーだけしかしていない状態よりは早く色が落ちる、という感じですね。
美容師としての工夫はたくさんあると思いますが、わかりやすいもので言うと「色の配合の仕方」や「前処理、中間処理、後処理」という土台作りとアフターケアですね。
配合に関しては各美容師によってやり方は様々で答えはありませんが例えばで言うと、ブラウン系の色を少し混ぜるとその人の本来の色に寄るため、色の定着が良くなるとか。
バイオレットやピンクを混ぜて黄色っぽく抜けないようにするとか。
染めたては少し濃いめに作り、少し抜けてからがピークになるように濃い仕上がりにしたり。
処理剤に関しては、「ブリーチをする前」「ブリーチを流す際」「カラーをする前」「カラーを流す際」「最後のシャンプーした後」とかですかね。
各工程に移る前に次の工程が最大限に発揮できる土台作りをすることがとても大切になります。トリートメントだけではないのです。
色持ちをアップさせるためには?
自宅でのケア、美容室でのケアどちらも大事です。
では、ブリーチをした髪で色持ちを良くするためにあなたができる工夫やケアの仕方は何でしょうか?こちらに関しては詳しくは以下の記事で解説させて頂きました。
メンズなら一度はやりたいアッシュグレー!現役美容師が9つの質問に答えます!! | BSR PRESS | 人気美容室情報 ベストサロンレポート
まず、そもそもアッシュグレーってどんな色?という疑問ですね。 アッシュグレーというのはアッシュ+グレーを組み合わせた色 です。 アッシュというのは 「青み系の色」、グレーはそのままで 「灰色」 ですね。そもそもアッシュというのは直訳すると灰色なのでアッシュで染めればグレーになるんじゃないの?と、思いますよね。 これは 日本人の髪を想定して作られているカラーだからなんです。 …
端的にまとめると以下のようになります。
①シャンプーはムラサキシャンプーやアッシュシャンプーを使う
②流す時はぬるま湯で流す
③トリートメントをする
④ドライヤーですぐに乾かす
⑤ストレートアイロンやカールアイロンを使う時は低温で
上記の記事にてムラサキシャンプーの使用前・使用後の写真もUPしているのでぜひ見てみてください!
ブリーチでしかできないカラースタイル
ブリーチにはそれなりのデメリットが確かにあります。それでも魅力的でやってみたいと思うのは、やはりブリーチでしかできないカラーのスタイルや色合いがあるからですよね。
SNSや雑誌などで、この色かわいい!と思ったら、「ブリーチ使用」と書いてあることが多いのではないでしょうか?ブリーチならでは、ブリーチだからこそ映えるスタイルをご紹介していきます。
グラデーションカラー
その名の通り根元から毛先にかけてグラデーションの色合いになるように染めていくスタイルです。やろうと思えばブリーチなしでもできますが、コントラストが弱くナチュラルな仕上りになるためわかりにくいです。
やはり、はっきりとわかるように、そしてよりグラデーションのコントラストをつける場合はブリーチ必須になってきます。
コントラストをしっかり出していくには、ブリーチがベストです。
仕上がりも、ナチュラルになります。
また、同じようなデザインでバレイヤージュというのがあります。ここ数年でなんとなく聞いたことがある方も増えているのではないでしょうか。
まず見てみましょう。
バレイヤージュ
明暗の境目がナチュラルですよね!
美容師さんと入念に打ち合わせをして、施術内容を決めましょう。
はい。同じじゃない?って思いますよね。まあ確かに似てます。
バレイヤージュとは、暗い部分の色と明るい部分の色の境目のラインがパツっと出ないようにする技法の名称です。
特徴としてはハイライトとグラデーションを足したような仕上りになります。なので、美容師自身もグラデーションとごっちゃになっている場合が多かったりします。
こういったデザイン系のカラーほど名称だけでオーダーするのは危険なので、やりたい色やデザインのイメージが近い画像などを見せると良いと思います。
ハイライト
細めのハイライトです。
こちらは太めに入れたハイライト。
そしてこちらがハイライトのデザインですね。こうなると違いが出てきますよね。
ハイライトはブリーチを使う面積が少ないので比較的チャレンジしやすいデザインですね。
上の画像のように細め太めはもちろんのこと、どれくらい目立たせるのか、ベースになじませるのか、ということも調節可能なデザインです。
インナーカラー
ショートレンジでのインナーカラー
ミドルレンジでのインナーカラー
そしてインナーカラーですね。こちらもデザイン的にはチャレンジしやすいと思います。
普通に下ろしてる時はあまり見えないけど、耳にかけた時、巻いたりして動きが出た時などにチラッと見える色合いがとてもかわいいスタイルですね。
どれくらい見せるのか、または見せないのかというところは好みやライフスタイルによって変わってくるので美容師と相談しながら決めると良いでしょう。
ブリーチでしか出せない色合い
最後は全体的にブリーチをすることで出せる色合いをずらっと見ていきましょう。
ミルクティーベージュ
ショートとの組み合わせも、素敵ですよね!
ホワイトグレー
仕上がり感に、まとまりが生まれます。
オレンジグラデーションカラー
根元から毛先まで、トータルコーディネート。
グレージュ
ブリーチだからこその、色合いとなじみ感。
パステル系グラデーションカラー
こんな風に、想いのままに髪色を楽しめます!
おわりに
いかがですか?ブリーチでしかできないスタイル、できない色合というのはやはりあって、しっかりとした技術や知識があればブリーチカラーは怖くないのです。こういった特殊技術を擁するスタイルは事前にサロンや美容師の下調べが肝心になってきます。
そして途中でも書きましたが、ベストサロンレポートでもそんなカラーが得意な美容室を掲載しております!各エリアごとにカラーが得意な美容室という記事もまとめていますので、ぜひご活用下さいね!最後まで読んで頂きありがとうございました!