ジアミンアレルギーって?染められるカラーはあるの?

トレンドの色味にチェンジしたり、目立ってきた白髪をカバーできる便利なヘアカラーですが、アレルギーを起こす可能性のある成分が含まれているってご存知ですか?一度発症してしまうとそれまでのカラー剤は使えなくなるため、できれば発症前に正しい知識を持ち、適宜対策を取ることが必要です。この記事では、カラー剤に含まれる成分「ジアミン」のアレルギーについてまとめました。

そもそもジアミンってなに?

ハテナの写真

「ジアミン」 聞きなれない名前・・・

少し難しい名前ですが、ここでいうジアミンとは「パラフェニレンジアミン」という酸化染料の略称で、一般的なカラー剤のほとんど(アルカリ性カラー剤/酸化染毛剤と呼ばれるもの)に含まれている成分です。美容室でのヘアカラーの他、ドラッグストアなどで販売されているカラー剤にもほぼ含まれています。

数々の美容オーナーさんへのインタビューでは、「白髪染めにはより多くの色素を入れるために、また自宅で染めるカラー剤にはどんな方でも染まるようにジアミンが多く含まれている」とお話頂いたこともあります。

そもそもこうしたアルカリ性カラーの場合、1剤・2剤という2つの薬剤を使います。1剤に含まれる「アルカリ」と2剤に含まれる「過酸化水素水」が反応する際に、髪内部の色素を脱色&染色することで髪の色を変えられる仕組みになっています。理科の実験みたいですね。

一般的な日本人の髪色で例えるなら、元々の黒色を脱色しつつ、新たな色を入れるという2つの働きを行うわけです。この時、ジアミンを始めとする染料同士が髪の中で結合し、元のサイズよりも大きくなります。カラー剤を髪の中に閉じ込めるイメージですね。

つまり、ジアミンとはシャンプーをしたくらいでは取れないしっかりしたカラーを行う際に必要になる成分なのです。

ビーカーの写真

実験みたいで難しい!?

カラーに不可欠なジアミンですが、残念ながらアレルギー症状を引き起こす可能性がある成分としても知られています。

カラー剤が染みる、頭皮がかぶれる、赤くなる、気分が悪くなる…そんな症状のある方は、もしかしたらジアミンにアレルギー反応を起こしているかもしれません。

また、アレルギーというとすぐに症状が出る場合と、遅れて出る場合がありますが、ジアミンによるアレルギーの場合は以下のようになります。

アレルギーは“遅延型アレルギー”と“即時型アレルギー”に大別されます。

“遅延型アレルギー”の場合、典型的には、染毛後6時間~半日くらいより、薬液等が触れた部位にかゆみを感じ、その後に赤み・腫れ・ブツブツなど皮膚の症状が出始め、染毛の48時間後に最もひどくなります。さらに症状がひどくなると、顔全体が腫れたり、頭皮から滲出液(しんしゅつえき)が出たり、薬液等の接触していないところにまで拡大したりすることがあります。

さらに、症状が出たことに気づかずに使用し続けたり、症状が軽いからとくり返し使用し続けたりすると、まれに、染毛中から染毛直後に突然、全身じんましんや呼吸困難、血圧低下による意識障害等の重い症状が起こり、大変危険な状態に至ることがあります。これを“即時型アレルギー”といいます。

日本ヘアカラー工業会 Q&A ヘアカラーのかぶれ・アレルギー・誤飲誤食より 参照日:2019年9月10日

表 消費者庁の事故情報データバンクに登録されている毛染めによる皮膚障害事例の件数の推移 (注)括弧内は、皮膚障害の事例のうち傷病の程度が1か月以上で登録されている件数 受付年度 平成 22年度 平成 23年度 平成 24年度 平成 25年度 平成 26年度 皮膚障害 事例件数 154 (18) 196 (44) 238 (36) 201 (29) 219 (39)

消費者庁ホームページ「毛染めによる皮膚障害」報告書より参照日:2019年9月10日

上記の通り、平成26年度には219件の皮膚障害の報告が消費者庁に届いており、うち39件は1ヶ月以上にわたる健康被害が出ています。全国にある美容室数は2017年度末で24万件を超えており、ヘアカラーを行う方の率は来店者の約半数、その中の200件…というと少ないように思われるかもしれませんが、毎年継続して200件前後の届けが出ていることから、消費者庁はヘアカラー剤の製造元・美容室・消費者への注意喚起を行っています。

(※美容室数のデータは厚生労働省ホームページ 平成29年度衛生行政報告例の概況より/調査日:2019年5月16日)

ジアミンアレルギーは、軽いものだと染めている最中やその後に少し影響が出る程度で収まりますが、そのままカラーを続けると動悸・呼吸困難・嘔吐といった症状から死に繋がることもある重大なアレルギー症状「アナフィラキシーショック」を引き起こす可能性があります。そのため、疑わしい症状がある場合はまず皮膚科できちんと診察してもらうことが一番大切です。

救急車の写真

アレルギー反応が出たら病院へ!

こうした反応が起きる理由は、他のアレルギー症状と同じで、人体に備わっている免疫システムが過敏に反応することにあるようです。ではなぜ反応してしまうか?というと、「定量を超えると発症する」「体調不良の時の接触が危ない」など諸説あり、専門家でない私たち編集部では判断がつきかねる、というのが正直なところです。

特にアレルギー体質というわけではない方や、すでに何度もカラーをしたことがある方でも「ある日突然」カラー剤にかゆみやかぶれを起こしてしまうというのがジアミンアレルギーの特徴。詳細なメカニズムはわからない部分も大きいですが、触れる回数が多ければその分確率も上がってしまうことは確実といえそうなので、発症する前にできる限りの対策をする(あるいは美容室でできることをしてもらう)、少しでもおかしいと思ったら病院へ行く、というのは心がけて損はないはずです。

ジアミンアレルギーを避けるには

では、ジアミンを避けるにはどうしたらいいの?そんな疑問に、「すでに発症している場合」「これから防ぎたい場合」の2パターンでお答えします。

ジアミンアレルギーを発症してしまっている場合

医療器具の写真

ジアミンアレルギーを発症してしまっている場合はどうすればいいの?

カラーの度にかゆみが起きるなど、すでにジアミンによって皮膚のアレルギー症状が起きることが確定している場合は、ジアミンが含まれる「アルカリ性カラー剤」によるカラーリングを避けましょう。アルカリ性カラー剤はファッションカラー、白髪染めを問わずほとんどの一般的なカラー剤が該当します。

ジアミンはこのように多くのカラー剤に含まれている成分ですが、美容室によってはジアミンを含まないタイプのカラー剤を取り入れている場合もあります。ウェブで情報収集したり、直接電話で問い合わせるなどして確認してみましょう。

ベストサロンレポートでも、「ジアミンアレルギー対策」を行っている美容室を紹介しています。ぜひ参考にしてみてください!

発症していないが、ジアミンアレルギーが不安な場合①パッチテスト

頭を掻いている男性の写真

パッチテストで自分の体質を知ろう!

医薬部外品であるアルカリ性カラー剤を使う際、施術の48時間前に腕の内側に薬剤を薄く塗り、発疹やかゆみが出るかどうかをテストする「パッチテスト」が義務付けられています。ジアミンアレルギーは突然発症するため、これまでにカラーを行ったことがある方でも行う必要があります。

ただ、異常がなかったとしても実際に施術ができるのはテストをした日の2日後以降になってしまうため、実際には行っていないという美容室もあります。これは非常に微妙な問題で、「毎回必ずテストをするのは大変」「ジアミンアレルギーが起きるのはごく少数」「これまで問題が起きなかったお客様がほとんど」…そうした背景から、このような現状があるのだと思われます。

しかし、ジアミンアレルギーは一度起きてしまうと健康被害が起きたり、染めるたびかゆみが出るためこれまでのアルカリ性カラーが使えなくなってしまいます。万一美容室側にパッチテストを勧められなかったとしても、時間にゆとりを持って美容室を訪れ、パッチテストを受けるのがベストでしょう。

発症していないが、ジアミンアレルギーが不安な場合②ゼロテク・保護剤

クリームの写真

カラー剤と皮膚が触れないために!

美容室によっては、「ゼロテク」や「ゼロタッチ」などと呼ばれる塗布方法を行う場合があります。これは、髪の毛の生え際ぎりぎりにコームで薬剤をつける方法で、直接頭皮に薬剤がつかないためアレルギーリスクも回避できるという考え方です。

確かに頭皮にべったりと薬剤がつくことはないのでその分リスクは下がるのですが、実際にはシャンプー台で流す際に薬剤が頭皮の上を流れるため接触が完全にゼロというわけではないそうです。そのため、すでにアレルギーを発症している方にはおすすめできません。

もう一つ、対処として行っているサロンが多いのが頭皮保護剤の使用です。カラー剤を塗る前に地肌に専用のクリームやオイルを塗っておくことで、直接カラー剤が触れることを避けるというもの。こちらも通常よりはカラー剤との接触が防げそうですが、完璧に触れない保証はないので、発症済みの方は症状が出てしまう可能性があります。

ただ、これらは「通常のカラーリングよりは発症リスクが低い」とはいえそうなので、「これまで全くかぶれたことはないが、今後のために何か対策を考えたい」という方が取れる手段の一つにはなるでしょう。こちらは美容室によって行っている場合、行っていない場合があるので予約時に相談してみるのがおすすめです。

ジアミンアレルギーでも染められるカラー

植物の写真

植物性カラー、カラートリートメント使用時もパッチテストを!

ここまで、ジアミンアレルギーの症状や発症を未然に防ぐための方法についてお伝えしてきましたが、「私、発症してるんだけどもうカラーはできないの?」とお悩みの方もいるかもしれませんね。

結論からいうと、ジアミンアレルギーだからといってカラーができないというわけではありません!最もポピュラーなアルカリ性カラー剤は避けた方が良いですが、ブリーチ、ヘアマニキュア、ヘナやインディゴなど植物性カラー、カラートリートメントなら多くの場合ジアミン含有の心配なくカラーを行うことができます!

カラー剤の種類についてはこちらにまとめましたので、ぜひご覧ください。

カラーリングにはどんな種類があるの? | BSR PRESS | 人気美容室情報 ベストサロンレポート

美容室でカット並みにオーダー率が高いカラー。最近では「イルミナカラー」などカラー剤の名前が一般的になったり、「◯◯カラー」というバリエーションも増えてきました。美容室のメニュー表を見ても「◯◯カラー」というラインナップがたくさん並んでいることがあり、オーダーに悩むという方もいるはず。今回は知っているようで知らないカラーの種類についてお伝えします! …

ただ、上記でまとめたようにヘナ等の場合は植物系のアレルギーが出る可能性があるので、アルカリ性カラーではありませんが、パッチテストは必要です。また使う製品によってはジアミンが含有の可能性がゼロではないので、こちらも担当美容師さんに相談するのが一番でしょう。

それから、ブリーチは脱色剤のため、色を入れるのに必要な染料であるジアミンは含まれていませんが、アルカリと過酸化水素は含まれているので皮膚に刺激を感じることがあります。これはアレルギーとは違い「刺激性接触皮膚炎」と呼ばれるもので、多くの場合は施術中のみ刺激を感じ、洗い流した後は気にならなくなりますが、お肌が弱い方などはかぶれることもあります。気になる場合は地肌にブリーチをつけるようなヘアカラーは避けた方が良いかもしれません。

また、市販のカラートリートメントなどを使用して自宅でカラーを行う場合、成分の中に「パラフェニレンジアミン」(P.P.D.A)という表記がないかどうかよく確認しましょう。

ファッションカラーをしたい場合

カラーサンプルの写真

好きな髪色を楽しむために!

一般的なアルカリ性カラーには脱色と染毛という2つの働きがあるため、ほどほどの明るさのカラーであれば一度染めるだけで希望の色味になることもあります。

ジアミン入りの薬剤が使えない場合も、サロンによっては脱色+染毛(ジアミンを含まない染毛剤を使用)が行えるカラー剤を取り扱っていたり、脱色と染毛という2つのプロセスを分けて行ってくれる(ブリーチで脱色をし、カラートリートメントやヘアマニキュアなどで色を入れる)ことがあります。

脱色+染毛が行える場合は、1度のプロセスで自然なブラウンが手に入るので、「黒髪は重たすぎるからちょっと明るくしたい」という場合にオススメです。(「ノンジアミンカラー」という商品名のものがサロン向けに発売されているようです)

脱色と染毛を分ける場合、「ちょっとめんどくさい」と思われる方もいるかもしれませんが、一度ブリーチでトーンアップ→カラーをオンというプロセスはジアミンアレルギーではない場合でも行う方はいるので、そう珍しい技法ではありません。

編集部・松本も若い頃はハイトーンカラーが大好きだったので、よくこの手法でピンクやグリーンといった色味を楽しんでいました!希望の色によっては1度のブリーチでは再現できないこともあるため、費用はそれなりにかかるかもしれませんが、透明感のある外国人風カラーやハイトーンカラーにしたい方にはオススメです。

白髪染めをしたい場合

白髪の女性の写真

気になる白髪を目立たなくするのにおすすめ

黒髪の中にちらほらと出てきた白髪染めを目立たないようにしたい、という場合はヘアマニキュアやカラートリートメント、ヘナ等で暗めに染めることが可能です。(製品によっては、1度では白髪部分がしっかり染まらないものもあります)

周囲の髪の毛も明るくして全体をファッションカラーのような色に染める場合は、上記「ファッションカラーをしたい場合」と同じようなプロセスが必要になります。

全体を染めたくない場合、細い毛束にブリーチをかけて色を入れるハイライトも、印象が明るくなるのでオススメです。ハイライトの場合は根本から薬剤をつけなくても自然に仕上がる場合が多いので、ブリーチのかぶれが心配な方も十分オシャレを楽しめます。

大人世代向けのハイライトについては以下でまとめていますのでぜひチェックしてみてくださいね!

ハイライトで叶える毛先まで上品な大人ヘアカラー | BSR PRESS | 人気美容室情報 ベストサロンレポート

ハイライトって聞いたことがあるような…?どういうものなのでしょうか? 皆さん1度は「ハイライト」という言葉を聞いた事があると思います。 文字通り「ハイライト」とは、「明るい光」という意味です。ヘアカラーでは、明るい毛束、または明るい筋という意味になります。 …

ジアミンフリーのカラーで染められるスタイル例

電球マークの写真

カラー剤は「アルカリ性」だけじゃない!

ジアミンフリーのカラー剤も色々あり、様々なカラーのニーズに対応できるということがおわかり頂けたでしょうか?一般的なカラー剤が使えなくなる…というと選択肢が狭まるような気がしますが、言い換えれば「アルカリ性のカラー剤」(永久染毛剤)以外ならほぼ使える!ということでもあります。

次の項目ではジアミンフリー系のカラー剤でもできるおしゃれなヘアスタイルをご紹介します。

脱色+染毛ができるジアミンフリーのカラー剤でアッシュ系に

髪の毛を染める施術前と後の写真

写真は銀座の美容室bloom sweetのブログより

こちらは脱色+染毛ができる「ノンジアミンカラー」を取り扱っているサロンでのビフォーアフター画像。施術前はやや黄色みのあるブラウンですが、施術後は透明感のあるやや寒色寄りのブラウンになっています。白髪を染めるには少し弱い薬剤になるようですが、ジアミンフリーでここまで透明感のあるカラーができるのはスゴいですね!

ブリーチ+ジアミンフリー系カラー剤でビビッドなカラーに

ベースを暗めに染めて、一部をブリーチで脱色し、マニキュアやカラートリートメントでカラーリングすればビビッドなアクセントカラーを楽しむこともできます。色味にもよりますが、クリアでビビッドな色合いを求めれば求めるほどブリーチの回数は増えるので、予算や時間については美容師さんに相談してみてください。(写真は吉祥寺の美容室パルティルのinstagramより)

ブリーチ+ジアミンフリー系カラー剤でハイライトに

髪にハイライトが入った横顔の写真

写真は横浜の美容室Ley yokohamaのスタイルより

こちらが前の項目でお伝えしたハイライトのスタイルです。ベースが暗めでも、細い髪の毛の束をトーンアップさせたハイライトをいくつも入れれば全体が明るく見えます。ブリーチ使用でなくても、脱色と染色のできるジアミンフリー系のカラー剤がある美容室ならそれでもOKです。

ジアミンを過度に恐れず、自分らしくカラーを楽しもう!

美容院でカラーの説明を受けている写真

ジアミンアレルギーを正しく知ってカラーを楽しみましょう!

ジアミンアレルギーの危険性に触れてきたこの記事ですが、実際のところジアミンを含むカラー剤でかぶれたという報告は序盤で述べた通り全国で年間200件ほどです。もちろん、未然に防ぐに越したことはありませんが、年間にカラーを行う人の数は数え切れないほどいる中での200件と考えると、過剰に恐れる必要はないと個人的には思います。

すでにジアミンアレルギーの自覚がある場合はやはりアルカリ性カラーの使用を避けたほうが良いですが、その場合でも美容室によっては今回ご紹介したような様々な手法で対策を取ってもらうことは可能です。

幸いなことに、ヘアカラーの時にのみリスクが出てくる問題なので、極論を言えばカラーをしなければ全くリスクがないということでもあります。「今後どうしよう」と悩んでいる方は一度ヘアカラーから距離を置いてみるのも良いと思いますし、その上で「やっぱりカラーがしたいな」と思うなら、全くジアミンを含まないカラーを行ってもらえる美容室を探してみるのも良いでしょう。

途中でも述べましたが、ベストサロンレポートでは、様々な都市でジアミンアレルギー対策を行う美容室を紹介しています。ぜひ、「今後アレルギーを発症しないように」「アレルギーでもできるカラーはある?」とお考えの場合はご参考にしてみてください。

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