話題の「酸熱トリートメント」の仕組み、工程、メリットすべてを美容師が徹底解説!
美容室で扱われているカラー剤やパーマ液などは、日々改良を重ねていて、髪に優しいだけでなくバリエーション豊かに、どんどん使いやすくなっています。良い技術や薬剤は、国内だけでなく海外でもすぐに人気となり、たくさんの美容師がお客様に喜んでもらうために毎日技術を磨いています。最近テレビや雑誌、SNSで話題となっているのが「酸熱トリートメント」という新しい施術です。水素トリートメントや、第2のトリートメントなど呼ばれ方はいろいろありますが、今回はこの酸熱トリートメントについて詳しく見ていきましょう。

はじめに

髪の悩みに効く最新の技術、酸熱トリートメントとは?
酸熱トリートメントという言葉を知っていますか?酸熱トリートメントとは、全国的に少しずつ取り入れるサロンが増えている、新たな形のヘアケアメニューです。
クセがあったり、ダメージしていた髪がこんなにツヤツヤでサラサラになりました!というような写真や動画を見たことがある人は多いと思います。特に今はInstagramやFacebookなどで酸熱トリートメントの話題はどんどん広がっています。
「これから試してみたいけど、実際どんなメニューなのかよくわからない」という人や「美容室へ行く前にしっかり確認しておきたい」という人のために、酸熱トリートメントについて細かく解説していきます!
そもそも、酸熱トリートメントって何?

パーマやカラーリングで傷んだ髪の救世主!
まず、酸熱トリートメントとは一体何なのかを詳しく見ていきましょう。この酸熱トリートメント、今ではこのような名前となって出てきているので、「トリートメントの一種」として認識されています。
しかし、実は美容師にとってこの薬剤は、最近発売された最新の技術というわけではなく、「以前からあるビビり取りの薬剤」の一種なのです。「ビビり」とは美容師のよく使う言葉で「ダメージしすぎてビリビリとした手触りの髪」という意味です。
この、ダメージした髪を修復させるための薬剤が何度も何度も改良されて、より髪に対してダメージしない、トリートメントのような仕上がりになるように改良された薬剤が酸熱トリートメントと呼ばれています。
以前は、パーマやカラーによってダメージした髪をこれ以上ダメージさせずに髪質を改善させるための薬剤でしたが、改良された今は、よりツヤのある扱いやすい自然なまとまりのある髪質にするためのトリートメントの一種として人気が出てきています。
また、今までのトリートメントよりも長続きしたり、ゴワゴワな髪質が滑らかになるのでエイジングケアとしても話題になっています。
さらに美容室によっては、縮毛矯正をやめたい人に酸熱トリートメントをオススメしていて、自然にやめることができるというように宣伝しているお店もあります。
酸熱トリートメントとは①どういう仕組みなの?

髪のくせをコントロールできる新たな技術
それでは、そんな酸熱トリートメントが一体どのような理論で髪質を改善できるのかを見ていきましょう。みなさん、髪がタンパク質でできているのはすでに知っていますよね。
髪のタンパク質同士は、それぞれ結合しています。この結合の形状によって、その人の髪の質やクセの形状が決まります。酸熱トリートメントをすることで、それぞれの髪の結合よりも、より強い結合を一時的に作ることで髪質をコントロールすることができます。
酸熱トリートメントの力によってできる新しい結合のことをイミン結合といいます。このイミン結合の力でゴワつきやクセを抑えます。また、髪の表面にも新たなコーティングをすることで、ツヤがあるように見せるのです。
イミン結合は、薬剤を髪につけただけでは形成されないので、ヘアアイロンによって熱をあて、髪の中の水分を脱水縮合させることによってよりしっかりと結合します。
脱水縮合とは、水分を抜くことで新たな化合物を作る反応のことです。ですので、ヘアアイロンを使い熱ををあてて水分を抜くという工程が酸熱トリートメントには必要なのです。
酸熱トリートメントとは②ストレートパーマや縮毛矯正との違いは何?

写真は吉祥寺の美容室alottaの縮毛矯正スタイル。
酸熱トリートメントは、「髪がストレートになる」という口コミなどが広まっていますが、これは少し意味合いが異なります。
酸熱トリートメントではグリオキシル酸によって髪の内部にイミン結合を作り出し、さらにキューティクルの表面もコーティングするので、結果的に髪がストレートヘアに近づいて見えます。
ストレートパーマや縮毛矯正では、薬剤の成分であるアルカリ剤の働きによって、髪のもともとの結合であるシスチン結合を切り離します。
さらにその状態の髪に、新しくカールやストレートの形状を記憶させつつ、再び結合をつなぎ合わせます。要は、ストレートパーマや縮毛矯正では、一度結合を切り離すことが重要なのです。
ですが、酸熱トリートメントでは、シスチン結合を切り離したり、つなぎ合わせることはありません。新たにイミン結合を髪の中で作り出し、その結合によって今までの髪の結合を抑え込み、髪の質をコントロールします。
施術途中でヘアアイロンを使ってクセを伸ばしているように見えるので、ストレートパーマや縮毛矯正をかけているような感覚になりますが、先ほどもお伝えしたように、アイロンは髪に熱をあてることで脱水縮合させ、結合をより強固なものにするために使います。決してクセを伸ばしているわけではありません。
酸熱トリートメントとは③普通のトリートメントとの違いは何?

写真は大阪の美容室ヘアデザインメロの施術風景より
そもそも髪は死んだ細胞なので、酸熱トリートメントであっても普通のトリートメントであっても、ダメージのまったくない健康毛によみがえるということはありません。
ですが、いずれのトリートメントでも、髪をキレイに見せたり扱いやすくすることはできます。普通のトリートメントの場合は髪のダメージホールの中に栄養成分をたくさん入れて、それが外に出てしまわないようにキューティクルの外側からコーティングをします。
美容室でのトリートメントのメニューは1種類だけでなく、何種類かありますよね。これらは、トリートメントの成分の種類や、コーティングの力の違いです。
どのトリートメントも、「栄養成分を入れる」ことと「フタをする」というような仕組みで髪をキレイに見せてくれるのです。

髪質が見違える!第二のトリートメント
酸熱トリートメントの場合は、まず、髪のダメージホールのなかに酸性トリートメントの成分のグリオキシル酸、ジカルボン酸、マレイン酸などの酸の成分をたくさん入れます。
その状態の髪に熱をあてることで、それらの成分が形状を変え、ダメージホールからすぐ出てしまわないように大きくなったり、ダメージホールに吸着したりして、髪に一時的にくっつきます。
さらに、酸熱トリートメントの成分がヘアアイロンの熱の反応で髪の内部にイミン結合を作り出し、キューティクルの表面をコーティングすることで、酸の成分が外に出にくくし、クセのおさまったツヤのある滑らかな髪質へとコントロールすることができます。
酸熱トリートメントは、「酸の成分を入れる」ことと、熱をあてることで「髪の結合と酸の形状を変化させる」こと、さらに「強固にフタをする」という仕組みで髪をキレイに見せてくれます。
つまり、普通のトリートメントと酸熱トリートメントは「熱をあてること」と「髪の結合と酸の形状を変化させる」こと、「フタが強固であること」の点で違いがあります。
ただ仕上がりがサラサラになったり、ツヤが出たり、まとまりやすくなるので「第2のトリートメント」や「トリートメントの一種」としたような位置付けとなっているのです。
酸熱トリートメントとは④オラプレックスとの違いは何?

カラーやパーマとの併用で効果を発揮するオラプレックス。(写真はクロードモネ吉祥寺のスタイルより)
対して酸熱トリートメントは、成分と熱の反応により新たな結合を作り、表面もコーティングすることでツヤや滑らかさを出すことができます。
酸熱トリートメントとオラプレックスとでは、「毛髪内部に働きかける場所」「熱処理をする/しない」「パーマやカラーリングと併用する/しない」が大きな違いです。
ですが、どちらの施術も髪質をコントロールして改善することができるので、「どちらを選んだら良いかわかりにくい」と思う人は多いですよね。
滑らかさやツヤを出し、キレイで自然なストレートヘアに見せたい人へは酸熱トリートメントを。ダメージの改善やハリコシを出したい人、パーマやカラーリングと一緒に試したい人はオラプレックスがオススメです
酸熱トリートメントとは⑤どれくらいもつの?

何回か施術することによってより一層効果が得られます
酸熱トリートメントは一時的に髪の形状を変えるので、永遠にその髪質になるわけではありません。
家でのケアの内容や、髪質にもよりますが、1回のみ酸熱トリートメントをしただけだと約1〜2カ月で効果がなくなるのを実感しやすい傾向にあります。これでも十分通常のトリートメントよりは長持ちするのですが、酸熱トリートメントにはより効果的な使い方があります。
それは、最初の半年間に3〜4回と、集中的に施術をすることです。オススメしている頻度は美容室によって違いますが、そうすることで、イミン結合が弱まって元通りなったり、髪の表面のコーティングが剥がれてしまう前に再び酸熱トリートメントの効果が得られ、結果的にもちが良くなり髪が扱いやすくなるからです。
そのため、「3回コース」「10回コース」という風に初めからコース料金を組んである美容室もあります。
ただし、いくら続けて施術をしても半永久的にもつわけではないということと、根元から毛先までの全ての髪がサラサラになるわけではないということをしっかり覚えておいてくださいね。
また、薬剤を地肌からつけるわけではないので、根元ギリギリの場所には薬剤はつけることができません。根元から毛先にいくにつれてだんだんとツヤツヤでサラサラの毛質になっていくというイメージでいてください。
酸熱トリートメントとは⑥平均価格はどれくらい?

割高でも人気のある施術!
酸熱トリートメントはだいたい1〜3万円で施術している美容室がほとんどです。少し割高になってしまうのは、酸熱トリートメントの薬剤が高価なこと、また熱を使った特殊技術なのでどうしてもこれくらいの金額になってしまいます。
ただ、従来のトリートメントに比べて酸熱トリートメントの手触りや、ツヤなどの見た目の違い、またクセが伸びて扱いやすくなることから、この金額がかかってもやりたいという人がとても多いので、美容室での予約が取りにくいこともあります。
美容室によっては、お試し期間やキャンペーンなどで少しお値打ちに受けることができるタイミングもありますので、ぜひ問い合わせて確認してみてくださいね。
美容室での酸熱トリートメントの工程
だんだんと酸熱トリートメントについて知っていくと「一度、美容室で試してみたいな」と思いますよね。ですが、何をどのように進めていくのかを知らないと少し不安になります。
ここからは、実際に美容室で酸熱トリートメントの施術をしてもらうときの工程を詳しく見ていきましょう。美容室で髪に薬剤をつけたまま待っていると、「これで大丈夫なのかな」とだんだん心配になってくるという方もいるかもしれませんが、工程を知っていれば安心して美容室で過ごすことができるのではないでしょうか?
工程や時間の目安もあわせてお伝えします!
美容室での酸熱トリートメントの工程⑴カウンセリング

カウンセリングでしっかり確認しましょう!
まずはしっかり美容師とカウンセリングをします。今の髪の状態でのダメージ箇所やまとまりにくい部分をお互いに細かく確認します。
この時に、1回の酸熱トリートメントでどれくらいの変化があるのか、何カ月に一度施術をすると望ましいかなど、これから先の話もしっかりと聞きましょう。
だいたいの美容室が、このカウンセリングのときに、今日かかる金額と時間を教えてくれます。基本的に1〜3万円で施術をする美容室が多く、施術にかかる時間は髪質にもよりますが約1時間半〜2時間です。
美容室での酸熱トリートメントの工程⑵シャンプー

薬剤が入るようにしっかり洗い流してもらいます。
カウンセリングの後は、髪の汚れやスタイリング剤を落とすためにシャンプーをします。素の髪の状態にしておくと、酸熱トリートメントの薬剤がきちんと髪の内部に入りやすくなります。
美容室での酸熱トリートメントの工程⑶酸熱トリートメントの薬剤を髪につける

きれいな髪にするにはベース作りが重要!
使う薬剤のメーカーにもよりますが、薬剤をつける前に前処理のトリートメントをつけたりして薬剤の反応を最大限に引き出せるようにベース作りをします。
その後に酸熱トリートメントの薬剤をつけます。髪質にもよりますが、基本的には根元付近から毛先まで一気につけます。
美容室での酸熱トリートメントの工程⑷加温&放置

熱処理で薬剤をしっかり浸透させます
つけた薬剤が乾燥してしまわないようにラップで包んでから20〜30放置します。この時に温めることがほとんどですが、髪質によっては温めずにそのまま放置する場合もあります。
時間を置いた後に、髪に薬剤がしっかり浸透しているかチェックします。足りないと判断したら、もう5〜10分追加で温めたりします。
美容室での酸熱トリートメントの工程⑸薬剤を流す

薬剤を洗い流します。
髪に薬剤が浸透したら、次はシャンプー台で流します。お湯でしっかり流すだけの美容室もあれば、シャンプーで軽く洗う美容室もあります。
美容室での酸熱トリートメントの工程⑹ドライ&ヘアアイロンをあてる

ヘアアイロンでツヤツヤに!
この時も使う薬剤のメーカーにもよりますが、前処理としてトリートメントをつけてからドライをします。ドライだけでもしなやかにまとまっているのがわかります!
毛先まで乾かしたら、ヘアアイロンで髪をプレスしながら熱をあてていきます。ドライの時よりもさらにツヤツヤに仕上がります。
パーマの時のように1剤、2剤と分かれているわけではないので、薬剤をつけるのは普通のトリートメントの時のように一度だけです。ヘアアイロンをあてたら酸熱トリートメントの施術は終わりです。
美容室での酸熱トリートメントの工程⑺アフターカウンセリング

ホームケアのアドバイスをしっかり聞きましょう!
髪を触ったりしながら髪質の変化を確認してもらいます。酸熱トリートメントをした後は、24時間は髪を濡らさない方が良いので、家での扱い方についてきちんとアドバイスを聞いてください。
また、家でのトリートメントケアなどもどうすると理想的か確認してください。せっかく酸熱トリートメントをしたのなら、1日でも長く楽しみたいですよね。
最後に、コースを組んでいる場合は、次の酸熱トリートメントの予定を立てて美容室での施術はすべて終わりです。
酸熱トリートメントのメリット
酸熱トリートメントをすると、髪にどのようなメリットがあるのでしょうか?なんとなく良いというのをわかっている人は多いと思いますが、メリットについて詳しく見ていきましょう。髪に悩みのある人は、あなたの髪質と照らし合わせながらチェックしてみてくださいね!
酸熱トリートメントのメリット❶ツヤのある滑らかな髪質になる

写真は吉祥寺の美容室 alotta のスタイルより
酸熱トリートメントのメリットは、なんといってもまずはツヤと、まるでダメージしていないかのような手触りになることです。
酸熱トリートメントの成分が髪のダメージホールをしっかり塞ぎ、キューティクルの表面もコーティングをしてくれるので、ツヤツヤで滑らかな手触りになります。
ダメージしていない健康な髪に修復するわけではありませんが、まるでダメージしていないかのような自然な仕上がりになります。
ツヤがあり、毛先の手触りが良いとそれだけでも「女性らしさ」や「キレイな髪の人」という印象がグッとアップします!
酸熱トリートメントのメリット❷まとまりが良くなる

まとまりが良くなって朝の時短に!
ゴワゴワに広がってダメージしてしまっている髪だと、どれだけオシャレで素敵な格好をしていても、どこか残念な印象になってしまいますよね。
さらに、スタイリングをするのにもたくさん時間が必要となってしまい、イライラしてしまいます。
酸熱トリートメントをすることで、髪のゴワつきが落ち着き、横に広がっていた髪がキレイにまとまるようになります。
髪がまとまるようになると、朝は素早くブラッシングをするか、軽くドライヤーをあてるだけでスタイリングもあっという間に終わります。
髪のまとまりのために毎朝スタイリングに時間を使っていた人は、お手入れがとっても楽になりますよ!
酸熱トリートメントのメリット❸ストレート効果のある人もいる

写真は札幌の美容室bico sapporoのスタイルより
「酸熱トリートメントとは②ストレートパーマや縮毛矯正との違いは何?」でお伝えしたように、酸熱トリートメントの効果で髪の中にイミン結合を作り出し、キューティクルの外側をコーティングします。
これらの働きによって、もともとのクセの出る力を抑え込み、素直にまとまる自然なストレートヘアにコントロールしてくれます。
このようにストレート効果を感じやすいのも酸熱トリートメントの大きなメリットだといえます。
実際初めはあまり効果を感じなくても、何度か繰り返し酸熱トリートメントをすることで「髪のクセが気にならなくなってきた」という人は多いです。
ストレート効果については、美容室で扱っている酸熱トリートメントのメーカーの違いや、お客様の髪質の違い、また酸熱トリートメントを施術した回数にもよって効果は変わってきます。
これも前の項目で述べた通りですが、酸熱トリートメントとは、ストレートヘアにするための施術ではないので、くせの強い方、半永久的なストレートヘアを希望する方はストレートパーマや縮毛矯正を行ってくださいね。
自然なストレートヘアにしてみたい人は、ぜひ何度か試してみてください!
酸熱トリートメントのメリット❹若々しく清潔感のある髪質に見える

写真は表参道の美容室studio Teoのスタイルより
ダメージしていてまとまらない髪だと、どれだけお化粧や服装に気を使っていても、どうしても疲れて見えたり老けて見えたりします。
酸熱トリートメントをすると、髪の内部の結合から髪質を変えているので、髪の歪みやガタつきを整えてくれます。ツヤがあり、まとまりのある髪は必然的に若く清潔感があるように見えます。
「なんだか最近お化粧や服装が浮いて見えてしまう」と悩んでいる人はぜひ一度お試しください!髪質が変わるだけで、今まで似合わなかった髪型や色が似合うようになることもあります。
酸熱トリートメントのメリット❺通常のトリートメントよりももちが格段に良い

効果は1~2ヶ月!
酸熱トリートメントは、通常のトリートメントよりも強固に表面をコーティングすることができます。これによって、髪のダメージホールの中に入れた成分が外に出にくく、ツヤのある滑らかな髪をキープできます。
もちろん美容室での通常のトリートメントも髪にとても良い施術なのですが、家でのケアを頑張っても約1カ月でだんだん効果は弱まってしまいます。
特にダメージしている髪だと、もって1〜2週間という人もいます。ですが、酸熱トリートメントは、ダメージしている人でも1〜2カ月と効果を実感できます。
さらに、続けて酸熱トリートメントをすると、初めて施術をした時よりも、より長期間キレイな髪をキープできます。
酸熱トリートメントのデメリット
酸熱トリートメントにはたくさんのメリットがあるので、最近ではとても人気となってきているのですが、あくまでも薬剤を髪につけるのでデメリットがまったくないというわけではありません。
メリットだけでなくデメリットも知っておくことでいろいろ注意しておくこともできますし、デメリットを最小限に抑えることができます。事前に「こういうこともあるかもしれない」としっかりチェックしておきましょう。
酸熱トリートメントのデメリット❶何度か施術をする必要がある

繰り返し施術をするとより効果が実感できます!
酸熱トリートメントは、1回のみでは効果が長続きしにくいことと、変化を実感しにくいという人もいます。人によっては「2〜3回で髪質が激変した」と思う人もいれば、「4〜5回でようやく実感できた」という人もいて、結果は人それぞれです。
薬剤は、髪質に合う場合と合わない場合があるのですべての人に「必ず何回で効果を感じる」とは言えません。
ですので、施術をしてもらう前の段階で担当の美容師に、あなたの髪質では何回くらい施術をするのが望ましいのかを確認してくださいね。
酸熱トリートメントのデメリット❷少し高い

価格だけの価値がある!
酸熱トリートメントはダメージしてしまった髪や、扱いにくい髪質を変えてくれます。薬剤であるのに、髪がダメージしにくいことから薬剤自体が少し高価なこと、熱を使った特殊技術であることから、価格が高くなってしまいます。
また、何回か施術をしないと効果が長もちしにくいので、特にコースを組んでいる場合は、1回だけの金額ではなく、何回か払わなくてはいけません。
ですがその分、ツヤのある扱いやすい髪質にすることができるので長い目で見ると決して高額すぎるというわけではありません。美容室のキャンペーン期間などを利用して、かしこく施術をしてもらいましょう。
酸熱トリートメントのデメリット❸アルカリと相性が良くないため、直前直後のパーマやカラーリングはできないこともある

カラーやパーマの併用はダメージの原因になります。
酸熱トリートメントの主成分の中にアルカリ剤は一切含まれていません。そのおかげで髪をダメージさせることなくツヤツヤにできるのですが、成分にアルカリ剤が入っていないということは、他のアルカリ剤の薬剤にとても弱いということです。
酸熱トリートメントをした後にパーマやカラーリングをしてしまうと、酸熱トリートメントの効果がとれて以前の髪質に戻ってしまうこともあります。
また、酸熱トリートメントの成分で、せっかくカラーリングやパーマをしても退色の原因となってしまったり、パーマがダレたりしてしまうこともあります。
ただ扱う薬剤などの特徴の違いから、カラーリングやパーマと併用して施術している美容室もあるので、すべての人に当てはまるわけではありません。それでも、別々に施術をしている美容室が多いです。
パーマやカラーリングも一緒にしたいタイミングの時は前後に1〜2週間ずらして酸熱トリートメントをしてもらうのがベストです。
カラーリングやパーマの薬剤、さらにお客様の求めるヘアスタイルによって、先に施術した方が良い場合もあれば、後の方が良い場合もあるからです。
担当の美容師に、どのタイミングで酸熱トリートメントをすると良いのかを確認して、順番に計画を立ててから施術をしてもらってください。
酸熱トリートメントがオススメな人
それでは、酸熱トリートメントのメリットもデメリットもしっかりチェックをしたところで、次にどんな人に向いているのかをお伝えします。
「私にも当てはまるかも」と思う人は、ぜひ酸熱トリートメントを試してみてください。今まで気になっていたことや、悩んでいたことが解決できるかもしれません!
具体例を挙げて考えていくので、想像しながら読んでみてくださいね!
オススメな人「繰り返しのカラーで、ゴワつきやダメージの気になるAさん」の場合

ダメージヘアの人にもおすすめ!
3カ月に一度はカラーリングをしてキレイなヘアカラーをキープしているAさん。
根元のプリンになった部分や、退色してしまった毛先ばかりが気になってカラーのメンテナンスをしていますが、実は毛先は何度も何度もカラーリングを繰り返し、ダメージが蓄積しています。
3カ月に一度染め直しているということは、毛先に繰り返しているカラーリングの回数は12cmのショートヘアで約4〜5回、24cmのミディアムヘアだと約8〜10回、36cmのロングヘアだと約12〜15回にのぼります。
そんな繰り返しのカラーリングの影響で、毛先にいくにつれてキューティクルが浮いたり剥がれたりして、水分や栄養素がどんどん抜けてダメージしてしまいます。
染めた直後は美容室で行う簡単なトリートメントの効果でダメージが気になりませんが、すぐに取れてしまうため、Aさんはきれいなカラースタイルとダメージのジレンマに悩んでいるようです。
こういったAさんのようなダメージの人はとても多いです。朝スタイリングをしたのにすぐ崩れてしまっていたり、パサパサでまとまらない毛先の人、ホームケアをしているのにダメージが改善しない人は酸熱トリートメントがオススメです。
滑らかにまとまる髪はお手入れの時間を短縮できますし、キューティクルの表面にツヤを出しながらコーティングするので、ヘアカラーの色がよりキレイにはっきりわかるようになります!
オススメな人「ここ最近くせや広がりの気になる大人女子Bさん」の場合

くせ毛も憧れのストレートヘアへ!
「最近、髪がまとまらない…なんだかくせまで強いかも?」と感じ始めた40代前半のBさん。特に髪に悪いことはしていないはずなのに、広がりやくせが出てきてしまいました。
髪が生まれる毛根は皮膚と密接に関係しているので、皮膚のたるみや弾力低下などでどうしても毛根の形が変わってしまったり、髪を作り出す細胞自体が弱くなったりしてしまいます。
それにより、パサパサの細い髪になったり、ゴワゴワのクセの強い髪になったりして、以前と比べて髪質や手触りが変わってしまいます。
Bさんのように、「なんだか最近髪が扱いづらい」と感じている人は、ダメージだけでなく年齢によるものかもしれません。エイジングケアをしてみたい人にも酸熱トリートメントはとてもオススメです。
酸熱トリートメントは、髪に自然なふんわり感を出す効果があります。また、キューティクルの表面をコーティングすることで、髪の内部と外部から働きかけてクセを抑え込み、扱いやすい自然なストレートヘアに近づけることができます!
おわりに
酸熱トリートメントは何度も改良を重ね、年齢関係なくたくさんのお客様のニーズにぴったり合うオススメの新しい施術です。
まだまだ取り入れているサロンはそこまで多くはありませんが、髪に対して何か悩みのある人は、この機会にぜひお試しください。
今までのカットやパーマ、トリートメントでは得られなかった感動があるかもしれませんよ!