美容師が答える!うまくいく髪型の頼み方とカウンセリングでよくある質問トップ5

どんな時も新しいヘアスタイルに変える時はワクワクしてうれしいですよね。今までずっとチャレンジしてみたかったヘアスタイルも、流行りのヘアスタイルも挑戦するときは楽しみですが同時に「似合うかな」と不安にもなりますよね。せっかく美容室へ行くのですから、似合う色や長さなどプロにいろいろ相談してみましょう!

はじめに

諦めモードになる前に。
皆さんは今までに何回満足のできるヘアスタイルにすることができましたか?思っているよりも切りすぎてしまったり、暗くなりすぎたヘアカラーや、強すぎるカール。「また理想通りにならなかったな」と思いながらも、何も言えないというような経験は何度かあると思います。
そもそも「100%思う通りにはならない」と最初から諦めモードの人もいるかもしれませんね。確かに髪は時間がたてば伸びるので、今しているヘアスタイルが一生続くことはありません。
ですが、最初から思い通りのヘアスタイルになることができたら毎日鏡を見るたびにうれしくなるはずです!今回は、理想の髪型を手に入れるためにはどうしたらいいのかをお伝えします!
思い通りの髪型にならないのはなぜ?

コミュニケーションがうまくいかないこと、ありますよね。
どうしてそうなったのか分かりますか?
お客様は「セットし終わったふんわりとした内巻きのあごラインのボブ」にカットしてもらったつもりですが、実際にはコテで巻いて仕上げないとそのスタイルにはならなかったのです。5cm長いと思ったのも、コテで巻くと長さが短く感じるためにわざと長くしてあったのです。
美容師の技術不足ではなくここに生まれたズレは、カウンセリングの不足から起こっているのです。最初に美容師が、「コテで巻かないと切り上がりは5cm長くなるし内巻きにはならない」と伝えていれば良かったのです。

美容室での意思疎通がうまくいくコツをお伝えします。
ですが美容師は、「巻かないと5cm長く感じるだろうけど…お客様は言われなくてもわかっているだろう」と思い何も言わなかったのでしょう。お客様はそんなことは知りませんでした。「カットが終わればふんわり内巻きのボブになるだろう」と思っていたのですから。
これでは、せっかく美容室へ行ったのに残念な気持ちになってしまいますよね。ですが、ほとんどのケースがこのように意思疎通をしっかりと取ることができずに起こるのです。では、どうすればお互い意思疎通が取れるのでしょうか?
そこには3つのポイントがあるのです!どれか1つではなく、できればこの3つを合わせて伝えることによって美容師とのズレがなくせますよ。
うまくいく髪型の頼み方① 写真やヘアカタログを使って伝える

質問することでお互いのイメージが近づきます
まずは、先ほども例にもあげた通りチャレンジしてみたいヘアスタイルの写真やヘアカタログを見せるということです。お互い目で見て視覚で確認し合うというのはとても大切なことです。染めてみたいカラーもパーマの雰囲気も言葉で伝えるのはとても大変ですが、目で見て確認できると安心ですよね。
たまに正面だけの写真しか持っていない人もいますが、カウンセリングのときに後ろ姿はどうなっているのか美容師に聞いてみると良いですよ!実はあなたが思っているよりも短かったり、長かったりイメージにズレがあるかもしれません。

自分では気づきにくい後頭部のバランス。(写真は吉祥寺のパルティルさんより)
また、後ろ姿を見慣れていない人が多いので、たくさんカットする場合などはカットしたら毛先がどの長さになるのか、鏡を見せてもらいながら触って確認すると良いですよ。
肩に触る長さでしょうか?もしくは首の真ん中あたり?はえぎわギリギリはどこだと思いますか?たくさんカットする時は注意してくださいね!
うまくいく髪型の頼み方② 嫌いなヘアスタイルを伝える

NOはNOとしっかり伝えること
あなたの「嫌い」な気持ちを美容師に伝えてください。
今までチャレンジしたけど好きになれなかったヘアスタイルや、いつもこうなってしまって嫌だということでもOKです。この気持ちを伝えておくことにより、あなたが嫌いなヘアスタイルの範囲を美容師が知ることができます。

中には、パーマをかけずしてある程度の癖を補正してしまう凄腕の美容師さんも。(写真は銀座の7inchさんより)
いつも絶対に短くなりすぎてしまうのでしたら、髪の毛の生えている方向に「くせ」が強くあるかもしれません。前髪を下ろしたいのに真ん中でわかれてしまったり、右側だけがいつもハネてしまったり。カットで対応できる場合と、できない場合があります。パーマをかければ解決できる場合もあるし、あなたのドライの仕方が合っていない場合もあります。
ただ単純に赤色が嫌いだとか、ロングヘアが嫌いだということであれば、それにしなければいいだけのことですが、細かな要望についてはしっかりと伝えることによって解決できます。今までストレスに感じていたことが、「美容師に相談してみるといとも簡単に解決できた」という人はたくさんいますよ。
うまくいく髪型の頼み方③ 家で使っているヘア用品やスタイリング剤などの種類を伝える

自宅でどんなケアをしているかを伝えることが、再現性の高い髪型に繋がります。
あなたが家で「何を」使っているかです。家で髪をセットするときは、それぞれの好みがあります。ドライヤーで乾かして終わりたいという人に、「明日から毎日コテで巻いて仕上げてください」と言ってもただストレスになるだけですよね。
ふんわりした毛束感の仕上がりにしたいのに、ハードタイプのワックスしか持っていない人でしたら、他のスタイリング剤を購入することをおすすめしないといけません。あなたのしたいヘアスタイルが家で再現できないとまったく意味がありません。せっかく美容室に行っても、思い通りのヘアスタイルはその日だけになってしまいます。

撮った写真を共有するのがオススメ。
ですので、家ではどんなドライヤーを使っているのか。ヘアアイロンはコテタイプなのか、ストレートタイプなのか。スタイリング剤はどんなタイプを持っているのかを伝える必要があります。メーカーなど覚えるのが大変な場合は、スマホや携帯で撮った写真を美容師に見せるのもひとつの手ですよ!
この3つのポイントは、本来なら美容師がカウンセリングでお客様から聞き出さないといけないないのですが、お客様側もこの3つのポイントがとても大切なんだと知っていてもらえるだけでお互いのズレはとても少なくなります。
ぜひ覚えておいてくださいね!
施術中に美容師は何を考えているのか?

写真は大阪の美容室MEUZの施術風景より
美容師はスタイリストになるまでに何年もたくさんのことを学びます。技術はもちろんですが、お客様の気持ちを引き出すためにカウンセリングの仕方にも力を入れて学びます。そもそも、良いカウンセリングができないとお客様の本当にしたいヘアスタイルが理解できませんし、家でのケアの仕方などアドバイスもできません。
美容師がたくさん学んできたということは普段表には出さないですが、いろいろ学んだからこそ美容師はさまざまなことを考えながら施術をしているのです。もちろんお客様と雑談だってたくさんしますよ。
ですが、その雑談の中にはお客様の好みがたくさん隠されているので実はとっても集中して聞いているのです!では次に、美容師が何を考えながらカウンセリングをしているのかお伝えします。
美容師の考えていること① 家でスタイリングができる?

ライフスタイルを把握してこそ再現性の高いスタイルが作れます。
まずはお客様の希望のヘアスタイルがその人の日常生活でスタイリングができるのかどうかということを最初に考えます。器用なのか不器用なのかはもちろんですが、毎朝スタイリングをすることのできる生活を送っているのかどうかを見極めます。小さな子供がいたり、ギリギリまで寝ている人はなかなかゆっくりスタイリングに時間がとれませんよね。
ズボラさんタイプの人だっています。そういう人へは簡単にできるけど、なるべく希望に近いヘアスタイルをおすすめしないといけません。
スタイリングに5分の人もいれば30分じっくりする人もいます。朝だけでなく、夜は髪を乾かす時間があるのかどうかなども考えなければなりません。コテで仕上げるふんわりカールスタイルにしたい人が、そもそもコテを持っていなかった場合、このヘアスタイルはお客様には成立しません。

写真は札幌の美容室bicoのスタイルより
内巻きブローのヘアスタイルにしたい人が、ドライヤーで朝スタイリングをする時間がなかった場合、このヘアスタイルはお客様には成立しません。
おわかりでしょうか?
「希望のヘアスタイル」と「スタイリングできるヘアスタイル」は、ときに違うのです。
その人それぞれ生活スタイルが違うので、希望のヘアスタイルが生活スタイルに合っているのかどうかを考えます。これは本当に大切なことです。
美容師の考えていること② 次に美容室に来られるのはいつ?

プロの美容師はお客様が自分でもお手入れできる髪型をご提案します。(写真は名古屋の large より)
さて次に、お客様がどれくらいの周期で美容室に来るのかということを考えます。周期の長い方へは細かく調整を必要とするショートカットやボブカット、明るいヘアカラーなどはおすすめしません。
私たち美容師は、お客様に接する時間はほんの一瞬です。ですが、その一瞬で作ったヘアスタイルをお客様は1カ月〜数カ月生活をともにするのです。その間、お客様がきちんとスタイリングできるようにどれくらい「もたせる」ことができるのかを考えなければいけません。

実際の周期とお客様の希望のバランスを取ってゆきます。(写真は表参道のstudio Teoさんより)
お客様の周期に合わせて、希望よりも最初は少し強めにパーマをかけた方がもちは良いですよね。それをお客様が望むのかどうか。
希望よりもやや暗めのカラーの方が、退色もゆっくりに感じるのでもちは良いですよね。それをお客様が望むのかどうか。
例をあげたらきりがありません。美容師は1日でも長くお客様にヘアスタイルを楽しんでほしいのです。
美容師の考えていること③ トータルバランスがとれる?

メイクやファッションとのバランスも大切なことです。
①、②の内容をクリアしたら最後は希望のヘアスタイルがお客様のトータルバランスに似合うかどうかということを考えます。ファッションやメイクが希望のヘアスタイルと合うかどうか。メガネやカラコンには合うだろうか。年代に合ったヘアスタイルかどうかもとても重要です!
お客様の身につけている服の系統からだいたいの好みを知ることができますが、たまに「美容室に行くときはいつもよりうんとおしゃれします!」という人もいます。ですが、ファッションもメイクも、いつも通りでないとヘアスタイルと普段用のファッションとメイクが似合わなくなってしまいます。
美容師も普段着なのかどうか観察はしていますが、美容室へ行くときはいつも通りが1番良いですよ。このように、美容師はいろいろなことを考えながらカウンセリングをします。すべてはお客様に喜んでもらいたいからなのです!
美容室って謎が多い?

日常を離れてひとときの癒しをくれる美容室(写真は大阪のヘアデザインメロさんより)
毎日の忙しさから少し離れて髪の毛をキレイにしてくれる美容室。非日常的な空間でとても癒やされますよね。ですが中には「わからないことがあっても、聞くに聞けない雰囲気」で緊張してしまうという人もいます。
特に初めて行く美容室では、担当の美容師と会うのも話すのも始めてですのでさらに緊張してしまいますよね。慣れている美容室でしたら「いまさら聞けない」という声もよく聞きます。
私たち美容師からすると質問は大歓迎なのですが、お客様側からするとそう簡単にはいかないですよね。今回はカウンセリングのときにお客様からよせられる質問の中で最も多いトップ5をご紹介します!
カウンセリングのときによくあるQ&A①このヘアスタイル本当に似合うかな?
似合わない髪型をオーダーしたら?きちんと止めてくれますか?
はい、もちろんお止めいたします。ですが「これは似合いません」とストレートに言うことはありません。お客様を恥ずかしい気持ちにさせたり、傷つけてしまう恐れがあるので。
このようなシチュエーションのときは、私たち美容師はいろいろと別のヘアスタイルを提案します。「同じような雰囲気のスタイルで、こちらの方がより似合いますよ!」というような感じで。
せっかく美容室に来てくださったので、喜んで帰ってもらいたいですからね!
カウンセリングのときによくあるQ&A② おまかせにできるの?
「おまかせで」って言ってもいいの?
基本的におまかせにできるのは、好きなヘアスタイルもライフスタイルも熟知している常連さんのみです。「おまかせで」の裏側には「私に似合う新しいヘアスタイルを見つけてね」の意味が隠されています。好き嫌いを熟知していないと、いくら美容師目線で似合うヘアスタイルにしても、お客様は満足できません。
ですので、初めての美容室では要注意です。
また、「してみたいヘアスタイルがない」「いろいろオーダーするのが面倒だ」というときは特に注意してくださいね!こういう気持ちのときこそ、カウンセリングでしっかりと相談して解決することをおすすめします。
カウンセリングのときによくあるQ&A③ 電話予約の仕方は?
どうやって電話予約をしたらいいの?
「カットとカラーで〇〇時にお願いします」というように、その日したい施術と時間のみを伝えているお客様が非常に多いです!もちろん間違いではないのですがとてももったいないです!
たとえば「暗くしようと思っているけれど、少し個性的なカラーにしたい」とか、「バッサリ切ろうと思っているけどショートカットかボブカットで迷っている」というように、悩んでいることや困っていることをあらかじめ伝えておくと美容師もお客様の予約の日までに「どんな提案をしようかな」といろいろヘアスタイルを考えることができるのです。
また、しっかりカウンセリングをする必要があるなと最初からわかっている場合は2時間で終わるコースであっても、あえて長めに時間を空けておくこともあります。ぜひ電話予約を有効活用してくださいね!
カウンセリングのときによくあるQ&A④ 仕上がった後でも直してもらえるの?
「もう少しこうしてほしい」時はどうするの?
これもよくある質問ですね。このような気持ちにさせてしまわないようにしっかりとカウンセリングをするのですが、それでも「もう少しカットしてほしい」というオーダーはたまにありますよ。
「前髪がすぐに伸びてしまうので、もう少し切って」というときや「もう少し軽くして」というご要望なら、すぐに対応が可能です。しかし、すべて施術が終わってからのスタイルチェンジはとても難しいです。
たとえば、セミロングにすると決定したお客様が仕上がったときに「やっぱりボブにしたい」と言われるときです。これはとても困ってしまいます。お店が空いているときはすぐに対応できても、忙しいときは対応できるまでに長くお待たせしてしまうかもしれません。
ですので、迷う気持ちがあるときはカウンセリングのときにその気持ちもしっかり美容師に伝えてくださいね。
カウンセリングのときによくあるQ&A⑤ どの専門用語でオーダーしたらいいの?
専門用語がわからなくてうまく伝えることができないけど、大丈夫?
はい、大丈夫です!!
実は専門用語を使われない方が、美容師はよくわかるんです。「ブラントカットの前髪」とか「チョップカットでレイヤーに」などとオーダーしてもらうよりは「パッツンとした前髪」とか「ギザギザのライン」などと表現してもらえた方がより伝わります!
専門用語がダメだということはありません。もちろんきちんと伝わるのですが、美容師が気をつけていることは、あなたの使っている専門用語と私たち美容師の使う専門用語が合っているのかということです。
実は、たまに間違えて使う人もいるのです。これは要注意です!なぜなら、ときにはまったく別のヘアスタイルになることもあるからです。ですので、もし使うときは事前によく調べてくださいね!
おわりに

美容師としっかり関係を築けば、今以上にぴったりのスタイルが手に入るはずです。
いかがでしたか?「どうしよう」と思うことの多い美容室ですが、美容師の考えていることを知るだけでも不安はとても少なくなると思います!
それでも不安や疑問はその都度生まれますよね。そんなときこそ、ぜひいろいろと担当の美容師に聞いてみてください。美容師はお客様から質問されると「プロとして認めてもらえてるんだな」とうれしくなります♪
美容師を味方につけて、あなたの理想の髪型を手に入れてくださいね!