これって失敗 !?パーマをかけたいけどもう失敗したくないあなたへ
パーマをかけたことがある方の中には、もしかしたら失敗されてしまったことがある方もいるかもしれません。また、失敗が怖くてかけられないという方もいらっしゃるかもしれませんね。そんな、以前に失敗したからもうかけない!失敗されるかもしれないから辞めておこうという方にはぜひ最後まで読んで頂ければと思います。
パーマの失敗ってどんな状態?
お客様に「嬉しい」気持ちになっていただくお手伝い…が私たち美容師の仕事です。
まずはここからですよね。僕の考えでは、パーマに関わらず美容師側からの失敗の定義として、お客様に満足頂けなかったら失敗だと思っています。
大げさに言えば僕ら美容師はお客様の人生に関与するお仕事をさせて頂いてます。
だってそうでしょ?前髪が決まらないだけでその日の気分は上がらないし、今の髪型が好きじゃないなと感じてる方に、自信なんてつかないじゃないですか。
例えば、僕が担当させて頂いた次の日にその方は100人を前にする大事なプレゼンを控えてるかもしれません。また、大切な人に思いを伝える日かもしれません、人生の岐路になるような大勝負をする日かもしれません。
そんな時に自分を好きになり、自分に自信が持てるようなお手伝いができる仕事だと思っています。なのでまずは、お客様に満足頂けなかったら失敗なんです。
そして、パーマにおいて言えば失敗ってどんな状態を指すのでしょうか。代表的なのは「パーマがかからなかった」「逆にかかり過ぎた」「チリチリになった」「似合わなかった」「扱いきれなかった」などがあげられます。
では、これらの状態をもう少し詳しく話していきます。
パーマがかからなかった
原因が分かる時と・・・正直、分からない時もあります。
まずパーマがかからなかった。あるいは思ってたより弱かった。これはもう失敗ですよね。
パーマをかけに行ったのにそれが叶わなかったというのは、例えるなら寿司屋にお寿司を食べに行って「すんません!今日ネタ切らしちゃって!シャリとガリしかないけどいいっすか!?」と同じ。
いいっすか!?どころではない。寿司だ。寿司が食べたいのだ。そんなお客様のニーズに応えられずに満足など得られないですよね。
かからない原因はこれ!と、いうように断定することはできません。考えられるのは、「薬が弱い」「ロッドが大きい」「カットとのバランスが取れていない」「縮毛矯正をしていた」などです。
こういった原因がかからないという結果につながる可能性を高くしてしまっているのかもしれません。もちろん他にもたくさんの原因が考えられますし正直僕も、え?何でだろう?と、原因不明なこともあります。
逆にかかり過ぎた
基本的には、薬剤の強すぎが原因のことが多いです。
これはこれで辛いですよね。パーマをかけたいというニーズには応えられたのかもしれませんが、かかれば何でも良いというわけではありません。
想定より強くかかってしまうことで会社などで怒られてしまうこともあるだろうし、彼氏や彼女に会って笑われてしまうかもしれないし、何よりうまくセットができず扱えないですよね。
この場合の原因は先ほどと逆で「薬が強い」「ロッドが小さ過ぎた」という可能性が高いですね。
想定よりもゆるいのもそうですし、薬が強くかかり過ぎてしまうのも同じで毛髪診断ができていなかったのかもしれないと、いうのが根本的な理由の可能性があります。
チリチリになった
失敗しないためには、施行前のカウンセリングをしっかりと受けることがポイントです。
これが一番危険な失敗なんです。綺麗なウェーブでもストレートでもない、チリチリになった毛のことを美容業界では「ビビリ毛」と呼んでいます。
かからなかった失敗はもう一度やり直せばいいし、かかり過ぎたのもゆるくすることはできます。
しかし、チリチリになってしまうと元に戻すことは容易ではありません。一番確実な方法は切ることですが、根元付近からチリついてしまった場合はどうにもならないですよね。
あとは縮毛矯正やトリートメントなどで質感をごまかすことくらいですね。
そもそもなぜチリチリになってしまうのか?
簡単に言うと髪への過剰ダメージが原因です。髪の毛は弱酸性なのに対してカラーやパーマ、縮毛矯正などほとんどの薬剤はアルカリ性なんです。
度重なる薬剤のダメージが原因で、過剰にアルカリによってしまうことがあります。
本来ならばカウンセリングや触感などで見極めて、優しいタイプのお薬を使うと良いのですが、ダメージ具合を見抜けずにアルカリ度や還元力の高い薬剤を使用してしまうとチリチリになってしまうのです。
なので、どうしても無理そうだなと、いう時はそもそもかけられないと判断されるかもしれませんね。
似合わなかった
なりたいイメージを伝えて、後は美容師さんのプロの技術にお任せするのも、ポイントの1つ。
美容室を出る時はまあこんなもんかな?と思ってお会計したけど、帰って家族や友達に会って「変だよ!」と、言われてしまった。
そんな経験がある方もいるのではないでしょうか?これはカウンセリングのミスというか不十分であったかもと、いうことが考えられます。
カットはもちろんのこと、パーマでもカラーでも似合わせというのがあります。
例えば顔型がベース型なので、顔まわりにかかるような内巻き系のカールにしようとか、おでこが狭いから流すような前髪で毛先が流れるようなカールの強さ、ボリュームを出すところと出さないところのバランスなどを踏まえた上で、お客様のなりたいに近づけるのがカウンセリングなんです。
言い方はあまり良くないかもしれませんが、お客様は素人です。髪型を見て自分に似合うのか、長さは足りているのか、実際にこのパーマは強いのか弱いのかというのを判断できない人が多いと思います。
なので、お客様が持参された理想形の写真を見て、「写真だとサイドも強めにかかっているけどお客様は頭が張っていて、同じようにかけると横にボリュームが出てしまうからここはもっと控えめなカールにしましょう」など、やりたいイメージとやるべきイメージの擦り合わせが必要なんです。
これがおろそかになると、「なんか違うんだよな」ということになってしまいやすくなります。
扱いきれなかった
普段のお手入れ方法は、美容師さんからシッカリと聞いておきましょう!
これも良く言われますね。「パーマねぇ。したい気持ちはあるんだけど、家じゃうまくできなくてね。美容室でやってもらうと良い感じになるんだけど」という、あるあるですよね。
これはしっかりパーマがかけられていても失敗に入るかなと。少し厳しめジャッジですが。
このようなことが起こってしまう原因としては、「仕上げの際の説明不足」もしくは「説明したけどうまく伝わらなかった」と、いう場合に起こるパターンですね。
僕がパーマをかける際に必ず説明するのは3つ、「乾かし方」「セット剤の種類や付け方」「セット剤をつけない時の扱い方」この3つは必ず説明させて頂きます。
そして、それでもできなかったらご足労願いますが、遠慮なく聞きに来てくださいと、伝えます。
乾かし方によっても、仕上がりのスタイルが変わってくるのです!知ってました??
まず乾かし方ですが、これによって同じスタイルでも仕上がりが変わってきます。
例えば、特に気にせず全体をバーッと乾かす時もありますし、毛先を捻るように乾かす時もあります。また、少しブラシなどでまとめるように乾かしましょうという場合もあります。
バーッと乾かすならふんわりとウェーブっぽく仕上げたい時ですし、捻りながら乾かすのは同じ方向にまとまるようにくるんとパーマを出したい時。ブラシが必要なのは例えばボブで毛先をワンカールにまとめたい時などですね。
もちろん、微妙なスタイルの変化や髪質などによっても違ってきますが。
少しの違いで仕上がりは変わってくるのでドライの仕方などは必ず説明を聞くようにしてください。
なのでパーマをかけた当日は必ずセットをしてもらってください。シャンプーをしたくないという気持ちもあるとは思いますが、仮に当日シャンプーをしたことによって2週間早く取れてしまうと仮定しましょう。
それでも、かけてから2ヶ月間ずっとうまく扱えないよりはマシじゃないでしょうか?
パーマはかかったか、かっていないのかというのも大事ですが、僕が一番大事だと思っているのは再現性です。
明日からはあなたが自分で扱うのです。なので今回かけたパーマの取り扱い説明書を必ず頭の中に入れてから帰りましょう。
パーマの失敗は直せるの?
場合によっては、パーマのかけ直しも出来ることがあります。
先ほどお話したことでお分かりのように、パーマの直しはできる場合とできない場合があります。
できるであろうという場合は「ゆるくてかかってない場合」か「強くかかり過ぎてる場合」かもしくは、「似合ってない場合」ですね。
ゆるい場合が非常にシンプルで、かからなかった原因を突き止めかけ直すというパターンですね。
薬剤が原因なのか、セットに至るまでの説明不足なのか、はたまたカットなのかというように原因を探るわけですね。
かかり過ぎた場合でダメージが強く出ていなければこれもシンプルにかけ直せます。
ゆるくしてからかけ直すか、ゆるくしてちょうど良ければそれで終わりでも大丈夫です。
ゆるくする場合ストレート剤を弱めた薬をつけるだけでゆるくなります。アイロンなどはしないので、いわゆるストレートパーマですね。
時間や塗布量、薬剤の強弱などでどれくらいパーマをゆるくするのかを調節できます。
かけ直しが難しい場合は、カットをして修正することになります。
直せないまたは直すのが非常に困難というのはやはりビビリ毛になってしまった場合ですね。またビビった状態にもしなってしまった場合は、一番確実なのは切ってなくすことです。
ビビリ毛とは髪の中のたんぱく質が流れてなくなっていたり、ぐちゃぐちゃになっている状態なので、切ったり結合したりというのができなくなっています。
でも直せない場合で、長さが切れない切りたくないって方も多くいらっしゃいますよね。
そんな方のためになんとか伸びるまでのやり過ごし方をご紹介致します。
しかし、ダメージの状態によっては更に悪化しないとも限らないので担当の美容師にしっかり相談した上で行ってくださいね。
そこを踏まえて先ほど挙げた失敗の対策を書いていきますね。
パーマがかからなかった場合の対策
思ったよりも「ゆるく」かかっている場合は、ムースでスタイリングがベター☆
ここではゆるくなってしまった時によくある2パターンで説明していきます。ゆるくだけど全体的にかかっているパターンと、中間がかかっていなくて毛先しか出ないパターン。
まずは、ゆるくだけど全体的にかかっているパターンは、おそらく濡らすともっとパーマが強く出てくれるはずです。
なので、セット剤のムースを使ってセットしましょう。ムースはミディアムくらいの強さで固まり過ぎないのが良いですね。
朝に根元からびしょびしょにしなくてもいいので、毛先のパーマが出る辺りから濡らしましょう。濡らしてからムースを全体にムラなく揉みこみます。
あとはそのまま自然乾燥して終わりなので、お家を出る30分くらい前にムースをつけて、その間に出かける準備をすれば朝の時間を無駄なく使えます。
そして、乾かした時に中間がかかっていなくて毛先だけパーマが出るパターン。
パーマは毛先が一番強くかかるので想定よりゆるくなってしまっても毛先だけはかかってるパターンが多いです。
そしてそんな時はセット剤を毛先だけつけて毛先のパーマを強調するのもありです。
もしくは表面だけ巻きましょう。コテで巻くなんて無理!と、いう方もたくさんいると思いますが、以外と毛先まで巻き込まなくて良いとなるとそんなに難しくなかったりします。
毛先はパーマで出ているので外して大丈夫なんです。あとは髪型にもよりますがレイヤーが入ってない方は表面だけ巻くだけで充分なので時間もそんなにかからないです。
逆にかかり過ぎた場合の対策
かかり過ぎてしまった場合は乾かす時に少し手をかけてあげましょう。
パーマは濡れている時よりも乾かすとゆるくなります。そしてドライヤーで乾かす際に引っ張りながら乾かすと更にゆるくなります。
この特性を利用しましょう。ただし、パーマがかかり過ぎてしまっている場合髪の毛へのダメージも強くなっていることが考えられます。
なので、あまり無理に引っ張らないでください。優しく下に指を通す感覚で、少しだけテンションをかけてあげる感じです。
最後にオイル系のトリートメントをつけてあげると良いと思います。それでも強い場合はブラシ型アイロンがオススメです。
ブラシ型アイロンは弱いテンションと低温でクセを伸ばせるので、パーマがかかってない時でも寝ぐせ直しや、毛先だけまとめてカールを作りたい時なんかにも役立ち、一台あると助かる美容器具です。
最近では家電量販店で売っているのも見ますので購入はしやすいと思います。個人的にはやはりプロが使うものがオススメで、中でもクレイツのブラスティーが特に良いと感じます。
チリチリになった場合の対策
どのくらいの範囲がビビリ毛になってしまったのかにもよりますが、これを誤魔化すのは超力技でして、できれば何もせずただひたすらにトリートメントでコーティングして質感を誤魔化しつつゆるく一本で縛る…ということになります。
どうしようもないので、切れるタイミングで切って無くすというのが理想ではあります。それでも何か対策を!と、いう場合の方法なのでオススメはしません。
対策としてはチリついてしまった毛先を隠したいと思いますので、ヘアアレンジでおしゃれに隠しましょう。できればピンをあまり使わない、ゴムだけでできるのが望ましいです。
毛先をしまえるお団子系や、三つ編みや四つ編みなどの編み込み系のアレンジがオススメです。
お団子系アレンジ
写真は横浜の美容室 Ley by KINGDOM のスタイルより。
編み込み系アレンジ
写真は名古屋の美容室 large のスタイルより。
最近ではInstagramなどでやり方などがわかりやすく載っている投稿がたくさんあるので、#アレンジ解説 や#アレンジ動画 などのハッシュタグで検索してみて下さい。
編み込みなんかもギュッときつく締めるよりもふんわりとしている方が今っぽいアレンジになりますし、髪への負担も軽減されるので練習してみてください。
似合わなかった場合と扱いきれなかった場合の対策
パーマを掛けてもらったサロンさんの担当者に連絡をして、対処法を聞いてみてください。
すみません。この2つの場合自分でできる対策というのが思いつきませんでした。
扱いきれなかった場合はチリチリになった時と同じようにアレンジをすると、いうのも一つではあると思います。
あとは、電話でもいいのでもう一度担当に「ドライの仕方」「セット剤の種類」「セットの仕方」をもう一度確認して下さい。
しっかりしたやり方がわかってしまえば簡単に扱えるかもしれません。
ドライは捻りながら乾かすのか?ただバーッと乾かすのか?
セット剤は無くても平気なのか?ムースがいいのか?
その違いで仕上がりの具合はだいぶ変わってきます。遠慮なく聞いてみることが一番の対策ですね。
そして似合わなかったという場合。これもやはり自分ではどうしようもないので、お直しという形でもう一度担当に見てもらい相談しましょう。
そして、全体的にかけなおす場合もありますし、部分的にかけなおすかもしれませんし、ゆるくするだけかもしれません。
どうするかは美容師に任せて、どうなりたいか?もしくはここが気になるというのを伝えると良いと思います。
どうしても納得がいかない場合もありますよね…、そんな時はもう一度スタイル決めから始めましょう!
そんなこと言われてもよくわからないけどなんか違う。という場合はもう一度スタイルを決めるところからやり直しましょう。
そういった場合は、最初にオーダーしたスタイルとかけ離れる場合、お直し対応にならないことも店舗によってはあるかもしれません。
例えば、チーズバーガーを頼んでピクルス入ってないし、形もぐちゃぐちゃで嫌なので新しくチーズバーガーを作り直してください。は、お直し対応だとしましょう。
しかし、チーズバーガーを頼んで一口食べたらやっぱりテリヤキバーガーの気分だったことに気づいたので交換してください。と、いうのと同じに捉えられてしまう場合があるということですね。
それでももう一度お金を払っても良いという場合はやってもらえばいいと思いますし、仮にそれならこれで我慢する!と、いう場合でももう一度行くことで改めて今回のスタイルのアドバイスをもらえるし、次回はこうしましょうというアドバイスももらえるかもしれません。
お直しは決して迷惑でも何でもなく、むしろ美容師としてはありがたいのです。
そのまま二度と来なくなるよりもう一度来てもらえる方が嬉しいですし、美容師自身も失敗だった!ってわかった方が経験になり成長できるので。
技術職なので一度も失敗しないというのはあり得ないと思います。大事なのはその後の対応と同じことを繰り返さない成長だと思います。なのでお直しは遠慮なく利用してください。
パーマの失敗はあなたのせいではありません
キチンとカウンセリングをしたのに納得がいかない出来の場合は、真摯にその旨をサロンに伝えましょう。
先ほどはつらつらと失敗のケースを書きましたが、これら全てあなたのせいではありません。ダメージが強くてかからないのも、家で上手くセットができないのもあなたのせいでは無いのです。
ダメージが強いなら、それに合わせた薬の選定や放置時間の設定をするべきですし、かけられないほどのダメージならそれを伝えて、「いつならかけられる」や「こういうデザインならかけられる」など伝えれば良いのです。
家でセットがうまくできないのは先ほどもお話ししたように、うまく伝えきれていないからかなと。100%美容師が悪い!とまでは思いませんが、もし仮にあなたのせいにするような言い回しをする美容師がいたとしたら、返金を要求し次から違う所に行きましょう。
そこでなければダメな理由がなければ、全国には信号機の数より多い美容室があり、宇都宮市に住む全人口よりも多い美容師がいます。
また、ほとんどの美容室にはお直し期間というのが設けられているはずなのでそれを利用するのも良いかもしれません。
できることならかけた美容師に直してもらう方が髪の毛を必要以上に傷めなくて済むかもしれません。元の髪の状態や使用した薬がわかっているので。あれ?と思ったらまずは問い合わせてみてください。
こんなケースは危険!?
必ずしもできない!とは言い切れませんがこんな状態は失敗してしまう確率がグーンと上がりますよっていうお話ですね。
いくつかのよくあるケースに分けて伝えていきます。1つでもあれば危険度は上がり、どの美容師でも普通にかけられるというわけではなくなってくるので当てはまる方は要注意です。
CASE:1 危険度★★スーパーロングヘアー
髪の長さが、とっても長い方がパーマを掛ける時は、注意が必要です。
スーパーロングとは胸下10センチくらいのイメージですが、これは今までのCASEとは少し違いダメージが原因なのではなく、髪型の問題というか長さの問題ですね。もちろんかけられないわけではありません。しかし、かかりにくくなってしまいます。
パーマをかける際はロッドという棒状に巻きつけ薬剤をつけます。
そしてそのロッドの大きさに合わせてカールの大きさが決まってくるわけです。
巻く際は毛先から巻き始めるのがスタンダードなのですが、そうなるとロングを毛先から巻いた場合中間に進むにつれて、巻いた髪が重なりロッドの大きさよりもどんどん太く巻かれた状態になっていきます。
そうなるとどうしても中間がゆるくなります。そしてパーマの特性上乾かせばさらにゆるくなり、あれ?かかってない?と、なってしまいやすいのです。
パーマ技術は奥深いものです。パーマを得意とする美容師さんと探すのも、重要なポイント!
しっかり中間から動きを出したい場合はロングロッドと言って、通常より長いロッドに螺旋状に巻きつける方法もあります。これはスパイラルパーマというスタイルで、スタンダードの巻き方とは違い、中間からロッドに対して螺旋に巻きつけることで均等にロッドの大きさのカールを出すことができます。
あとはカットでレイヤーを入れて毛先の落ちる位置をずらすのも方法としてはあります。
毛先から巻いた場合毛先が一番カールが出るので、一番カールが強い毛先の位置をズラせば中間からしっかりとカールが出ているように見えるわけです。
しかし、Aラインになるように重めにパーマをかけたい場合や、カールアイロンで巻いたような上からふんわりと大きくしっかりとしたカールの質感でかけたい場合は達人級の領域ですね。
同じ美容師として僕はパーマに関してはまだまだ勉強不足ですが、 全国にはコテで巻いてるの?っていうほどキレイにカールを作ってくれる美容師はいると思います。
しかしパーマは本当に奥が深い技術。スタンダードの技術、スタンダードの知識よりも上の上の上をいく勉強量と経験値を得てやっと習得できる施術内容なのです。
CASE:2 危険度★★★★縮毛矯正をかけている
写真は吉祥寺の美容室 lieu de PARTIL のスタイルより。
★4つの危険度の縮毛をかけているケース。とは言ってもかけられないわけではありません。ただケースバイケースですね。
かけられる確率が高いのは「一回の縮毛矯正でゆるい薬剤を使用している」「毛先だけにかけるパーマ」「ダメージが弱い薬剤を使う」と、いったところでしょうか。
これ全て当てはまるなら難易度は★2つまで下がります。二個当てはまれば★3つ、一個だけなら3.5という感覚ですね。
そもそもなぜパーマがかけられないのか?ということですが、単純にダメージを負いやすい施術だからというのが1つ。
薬剤によるアルカリのダメージもそうですし、アイロンを通すのでその熱ダメージもあります。そしてこの熱ダメージがとても厄介でして。熱ダメージとは何かというと、たんぱく質変性というのは聞いたことありますか?
髪の大部分はタンパク質で出来ていますので、熱の加えすぎには要注意!!
専門的な内容になりますが、髪の毛はたんぱく質でできています。そして、たんぱく質は熱に弱いというのはご存知でしょうか?
よく例えられるのがたまごの白身です。
たまごの白身も同じくたんぱく質で、生たまごは白身が柔らかくプルプルしていますよね。しかし熱を通すと白く硬く美味しい目玉焼きになってしまいます。
たまごは美味しくなるのですが、髪の毛の場合は硬くなってしまうとコントロールしにくくなってしまいます。コテで巻いても取れやすくなったり、自然な感じに流れなくなったり、パーマがかかりにくくなったりと。
目玉焼きを生たまごに戻すのは無理だということは容易に想像がつきますよね?髪の毛にも同じことが言えるのです。
なので半熟たまごや温泉たまごくらいの硬さに留めてくれるような縮毛矯正の薬剤の選定やアイロンの仕方をしていればまだコントロールできなくもないという感じですね。
日常的にヘアアイロンを使用している方も、パーマが掛かりにくい場合があります。
毛先だけのパーマがかけられる理由としては、一部だけなら弱いカールでもまとまることではっきりとしたカールが表現できるからです。
ウェーブ系の全体に動きのあるパーマの場合はそれぞれがしっかりと動きが出ないといけないので、その分パーマが出ない確率が上がってしまいます。
因みに日常的にアイロンなどを使用している場合もたんぱく質変性を起こしてしまうので、縮毛矯正をしていなくても、「ストレートアイロン」「カールアイロン」「くるくるドライヤー」などの熱を与えて形をつけるような物を使っている場合かかりにくくなっているかもしれません。
CASE:3 危険度★★★★★ブリーチをしている
写真は吉祥寺の美容室 lieu de PARTIL のスタイルより。可愛いカラーですが、ここにパーマは難しい場合が多いです。こうしたスタイルにしたい場合はコテをうまく活用しましょう!
ブリーチをしている場合は危険MAXですね。基本的にはほとんどのサロンでは断られると思います。ブリーチ毛にパーマをかけるというのは達人の領域なので、よほど薬剤や毛髪の知識とそれに合った材料と方法と技術が全て備わってないとかけられません。
ただ、近年薬剤は本当に進化していて昔に比べるとかけられる可能性は高くなっています。
しかし達人の領域なだけに薬剤だけではどうにもならないのがブリーチ毛の難しいところなんです。
パーマをかけるのには毛髪内に、アミノ酸の一種であるシスチンというのが含まれています。このシスチンというのをパーマの一剤で切断し、ロッドに巻きつけその状態で二剤により再結合することでカールが形成されるわけです。
しかしブリーチをしている場合このシスチンが流出してしまい、毛髪内に少なくなってしまいます。そうするとカールの状態で結合するものが無いのでかからない、もしくは切れてしまうということになってしまいます。
毛髪内にシスチンがどれくらい残ってるのかは、カウンセリングや触感、視覚などにより判断しなくてはならないために非常にリスクを伴うのと、誰でもできるという領域ではないわけですね。
なので、まずは無理にパーマをかけないでカールアイロンの練習をするなどして、伸びてブリーチ毛を切って無くしてからパーマを検討することを先ずはオススメ致します。
CASE:4 危険度測定不能!!すでに前回パーマでチリチリになっている
一度ビビリ毛になってしまうと「カット」で補正するしか方法がなくなってしまいます・・・。
すでにチリチリになってしまった場合。これはもう諦めましょう。先ほどの失敗事例でも少し触れましたがもう少し詳しく話していきます。
ビビリ毛になってしまったら基本的にはもう切るしかありません。良くて、ストレートにするという選択ができる場合があるくらいですね。しかし、ビビリ毛をストレートにするのも容易ではありません。仙人級の美容師でないと無理です。申し訳ないですが僕はできないのでお断りする案件です。
全国の美容師の中でビビリ毛をストレートにしてくれる人は各都道府県に2,3人はいるかもしれません。しかしビビリ毛にパーマをかけられる美容師となると、全国にいるのでしょうか?というレベル。
僕の感覚での数字になってしまいますが、もしいるとするなら達人でも足下に及ばず、仙人でも子供扱いの神レベルです。
なので基本的にはビビリ毛になってしまったら切る、あるいはストレートにできる美容師を探すことをオススメします。
パーマが得意な美容師を見つけよう
パーマの経験値が多い美容師さんを選ぶのも、失敗しないコツですよね。
美容室に行って画像を見せたら誰がやってもほぼ同じ感じにはできるでしょ?って思っていませんか?本来そうあるべきでそれが理想かもしれません。しかし、現実は違います。
これはパーマだけに限らずブリーチカラーや縮毛矯正にも同じようなことが言えます。カットと違い、上記のようなメニュー内容で来るお客様は少ないので圧倒的に経験値が高い美容師と低い美容師とで差が出てしまうのです。
個人的に集中して研究や練習を重ねないと極められないのがこれらのメニューなんです。
なので、どこに行っても誰がやっても同じなんてことはなく、こういったメニューは個人でかなりの差が出る技術というわけですね。
先ほどから達人やら仙人やらというのは半分冗談で半分本気なわけでして。それだけ極めてきた美容師はどこにでもいるわけではないということをまずは知って頂きたいのです。
そして、悲しいかなパーマが苦手な美容師はとても多いです。特にスタンダードな状態から離れるほどに難易度は上がります。めちゃくちゃロングとか、かなりのハイダメージとか、クセ毛で広がってしまうとか。
実際に美容室での平均的なパーマの比率は15%くらいです。100人来て15人しかやらないんです。あくまで平均ですが。
ではここで本題ですね。どうやってパーマが得意な美容師を見つけるのか?知り合いがやってもらっていてそこを紹介してもらってというのが一番良いのですがなかなかいないですよね。いくつかの方法をお伝えします。
美容室紹介サイトで検索する
最大手の美容室紹介サイトで迷ってしまったら、しっかりとライターが取材をしている中小美容サイトも選びやすくて良いですよ!
今ではホットペッパービューティーや楽天ビューティーなどの美容室紹介サイトで検索から予約までする方がとても多いですね。
ホットペッパービューティーに関しては業界最大手でブログや口コミ、スタイリストの情報まで見れたりするので行くまでの不安を少しでも軽減することができます。
何よりも店舗掲載数ものすごくあるので選び放題です。
しかし、中にはその選び放題がゆえに結局どこにすればいいのか迷う!!と、いう方も多くいらっしゃいます。
そこで現役美容師目線でオススメなのが2つ。
ベストサロンレポートとミニモです。
手前味噌ではございますが、ベストサロンレポートを推させて頂きましたが、理由はずばり信頼度ですね。
どういうことかと言いますと、ベストサロンレポートでは美容室を載せる際に必ず取材をします。オーナーやそこで働くスタッフと直に話しを聞くことで、サロンや美容師の思いやこだわりがわかります。
もちろん得意なことから趣味までも。僕は今までこんなサイトを見たことがありません。人と人を繋ぐってこういことなんだなと思います。
初めて行く美容室って緊張しませんか?長い期間をかけてせっかく伸ばした髪を失敗されたくないですよね?だからこそこのようにこと細かに取材して、本当にオススメできるサロンだけを載せているのです。
情報量の多さよりも、あなたに必要な情報がどれくらい選びやすく掲載されているか?が大切ですよね!
大手サイトに比べると掲載店舗は少ないですが、その分上質なサロンを比較して悩めます。
そして、パーマが得意なサロンという探し方もできるのでとてもオススメです。
メンズパーマが得意サロンや、デジタルパーマが得意なサロンなど細かに分けられていたり、地域によっても絞られているので選択しやすいです。
ぜひ一度探してみてください。
そしてミニモですが、このサイトがオススメなのは美容室ではなく美容師を探して予約するというコンセプト。ミニモに載っている一つ一つのページは、サロンを紹介しているのではなく美容師個人を紹介しているのです。
なので、よりこだわりや思いなどがお客様にも伝わりやすいです。メニューも個人で設定できるので何が得意なのかわかります。
僕のミニモのページはデザインカラーを中心にしたカラーメニューばかりです。それは、カラーが好きでカラーにこだわりがありカラーでお客様に喜んで頂きたいからです。
同じようにそんな思いをパーマに込めた美容師もいるのです。美容師個人を予約できるので、どんなこだわりがあり、どんなスタイルを今まで作っていて、どんなメニューが得意なのかがわかりやすく探せます。
このようなことから、今回のようにパーマが得意な美容師を探すのに便利なサイトだと思います。こちらはアプリをダウンロードし、登録してから使えるので試しにぜひ使ってみてください。
ネットで検索する
サロンを選ぶときのコツは「口コミ」と「ブログ」を見た時のフィーリング。
シンプルにネットで検索しましょう。「パーマ 得意 美容師」でも良いですし、「パーマ 上手い 美容室 地名」でも良いと思います。
そこで1ページ目だけでなく3ページ目くらいまでは目を通しておいた方が良いかと。
そして、このように検索をかけるとサロンのホームページか集客サイトかブログに辿り着くと思います。ネット検索において僕がオススメなのは、ブログを読むことです。
集客サイトでもしっかりと記事になっていれば良いと思いますが、軽い自己紹介程度のページと、そのまま予約するだけのようなページならまだ決めるのは早いです。
ブログは個人でやっていてもお店でやっていても構いません。ブログを読み込むとその人のこだわりや、得意なスタイル、普段のサロンワークの実例などを書いていたりします。
なので、パーマが得意そうだなと、いうのもわかりますし、それと同時にブログを読み込んでいくとなんとなくその方の人となりもわかって、初めて行く際も少し気を楽にして行けると思います。
ブログだと趣味やプライベートも濃く書いていたりするので。僕も以前に自身のブログで僕なりの子育て論みたいなのを書いたことがあるのですが、その記事を見て子育ての話しに共感したから来ましたと、いう方もいたくらいです。
ブログからパーマが得意な美容師+なんか合いそうという美容師を探してみましょう。
SNS等で見つける
SNSの中で選び易くて、最近充実してきたのがインスタグラムですね!
今はSNSなどウェブのツールもたくさんありますよね。Facebook、twitter、Instagram、YouTubeなどなど。
これらのどの媒体からも探せると思いますが、僕のオススメはInstagramですね。理由としては、画像が充実していて、動画もあり、そもそもの投稿が多いので探しやすいという点ですね。
Instagram内で検索をかければスタイルがたくさん見れますし、そのまま予約もできます。DMやコメントの機能を使えば美容師とのやりとりも可能なので、予め相談できたり料金や時間についての質問などもできます。
当日行くまでの間にカウンセリングをしてもらえる感覚なので施術当日はスムーズに行えます。お客様としても面と向かってより色々聞きやすいと思いますし美容師側としても助かります。
もうお気づきかもしれませんが、集客サイトもブログやInstagramも僕がオススメする理由は共通していて、美容師の顔が見えるということ、美容師やサロンのこだわりや思いがわかるということ。
この2つのポイントを押さえていると、パーマだけでなくやってもらいたい美容師や通いたいサロンに出会える近道なのかもしれません。
まとめ
パーマを失敗してしまう原因の多くは4つ。ここを押さえておけば・・・きっと、思い通りのスタイルに仕上がるでしょう。
パーマが失敗する主な原因は「毛髪診断の誤り」「イメージの共有ができていない」「取り扱いの説明不足」「ダメージによる原因」の4つ。
しっかりとカウンセリングの段階で美容師に相談することで、パーマを失敗する確率を減らしましょう。先ほどの4つのポイントをなるべくクリアにしてから施術に入ってもらうことをオススメ致します。
そしてもし失敗されてしまっても、まずはもう一度同じ担当者に見てもらい相談しましょう。仮にそこであなたのせいにするようであったり、嫌な顔するような美容師の場合は返金を求めるのも1つかもしれません。
しかし、快くお直ししてくれるならどんな薬を使ってどういう工程でかけたかわかっている方が髪に負担なく直せる場合が多いです。
そしてもしかしたら説明不足が原因の場合は再度やり方を教えてもらって済む話かもしれませんしね。なのであれ?と思ったらまず相談しましょう!
さて、今回はパーマの失敗というネガティブなテーマではありましたが、いかがでしたか?少しでも読んで頂いた方の参考になればと思います。
そして、書きながらも僕自身がとても勉強になりました。また明日からのサロンワークに活かしていきたいと思います。最後までお付き合い頂きありがとうございました!