今さら聞けない!ヘアアイロン設定温度の基本を美容師が解説します!
ヘアスタイルを作る上で大切になってくるニュアンス作り。こなれ感や、ゆるふわなど今はオシャレなヘアスタイル作りにコテなどのヘアアイロンは欠かせなくなりました。「サロンで美容師さんがささっと仕上げのセットをしてくれるけど、自宅で自分でセットするにはどうしたらいいんだろう…?」今回はそんな方のためのヘアアイロンの温度設定の基本を一緒に学んでいきましょう!!
ヘアアイロンってどれのこと??
カールタイプ。ストレートタイプ。どちらもヘアアイロンです。
最近では家庭にいろんな種類のヘアアイロンを持っているという人も増えてきました。
お客様に、「ヘアアイロンはお持ちですか?」と聞くと、「色々持っているんだけどどれがヘアアイロンなの?」と言われることがありますが…答えとしては、熱くなって髪の形状を変えるものは全てヘアアイロンです!!
参考までに、私達美容師は
・コテ (カールコテのこと)
髪をクルクルとカールをつけるタイプ
・アイロン (ストレートアイロンのこと)
髪のうねりや癖を真っ直ぐにのばすタイプ
と呼びますが、全て総称して、ヘアアイロンです!!
あなたのお持ちのヘアアイロンの温度表記は何ですか??
ヘアアイロンには温度表記がありますが、確認したことありますか?
それでは実際にお持ちのヘアアイロンを見てみて下さい。
温度表記はどのように書かれていますか?数字が書かれていますか?
それとも、強〜弱のように書かれていますか?
表記のされ方はメーカーごとでそれぞれ違ってきます。
まずは自分のヘアアイロンの1番低い温度と、1番高い温度を知ることから始めましょう!!
140、150、160など数字表記のタイプの場合
数字の記載があるタイプは温度設定しやすいですね。
このタイプのコテやアイロンの場合、明確に温度が表記されているので比較的、温度設定もしやすいです。サロンで使われているヘアアイロンもこのタイプです。
セットの雰囲気にあわせて、また、毛先のダメージ具合に合わせて簡単に選ぶことができますよ。
では、実際に温度設定の選び方です。
140〜160°
温度が低いほど髪へのダメージは小さく済みます。初心者の人もこの温度で練習しましょう。
やや弱めの温度設定となります。
対象:まだコテやアイロンに慣れていない練習段階の人
ニュアンス作りのセットがしたい人
髪の毛を痛ませたくない人
スタイル:ほんの少しの外ハネや前髪だけの癖を伸ばしたいなどの部分的なニュアンス作りに
毛質:全ての毛質の人に使えます
すでにダメージしている人はこの低めの温度設定で十分セットができます
また、痛みやすい軟毛の方にも向いている温度です
170〜180°
高温は髪が傷むので、この温度での使用が一番選ばれています。
ほどよく熱く、しっかりとカールやストレートなど癖付けることができます
対象:ヘアアイロンの操作に慣れている人
スタイル:ゆるふわ巻きや、外国人風カールなど全体を巻きたい、もしくは全体をしっかりストレートしたいスタイルに
毛質:ややダメージ毛〜普通毛の人に使えます
太めの毛質の人もこの温度ならしっかりと癖付けることができます
ダメージしている髪にはオススメできません
一般家庭で使うヘアアイロンで、最もみなさんが選んでいる温度設定になります。
ほどよく熱いのでしっかり一日中キープできるススタイルを作ることができます。
190°以上
髪へのダメージが大きいため、特別しっかりセットしたい時にだけ使う様にしましょう。
高温なので特に注意が必要。
一般家庭でのヘアセットにはあまりオススメできない温度設定です。
対象:プロ、もしくはヘアアイロンの操作に「とっても」慣れている人
スタイル:一日中しっかりともたせたい全てのスタイルに
毛質:普通毛〜硬毛
※ダメージしている髪には決して使用しないで下さい
とても高温のため、プロやヘアアイロンを使うのに慣れている人でしたらあっという間に短時間でセットが終わるので逆に髪を傷めずにしっかりセットすることもできますが…
セットに慣れていない人だと髪を痛ませてしまう原因にもなりますので、注意が必要です。
ちなみに美容師がサロンでセットをする時は160〜180°が1番多い温度設定です。
私が190°を使うときはとっても強い癖をストレートにセットしたい時か、急いで帰りたいお客様のセットのみです。
弱〜強などの漢字表示のタイプの場合
数字表記がないアイロンは説明書をよく読み使って下さい。
さて、次にこのタイプのヘアアイロンを見てみましょう。
家電量販店などで売っているヘアアイロンなどは、このように漢字表記になっていることもあります。
メーカーによっても違いがありますが、数字表記のヘアアイロンよりも全体の温度設定は少し低めに作られている傾向にあります。
ですので、こちらはあくまでも目安ですが
弱・・・140°以下
中・・・150〜160°
強・・・170〜180°
だと考えてもらえるといいですね。
ただし、漢字表記のヘアアイロンを使用する際には実際の温度はそれぞれ違い、取り合い説明書に記載されていますのでそちらを事前にチェックしていただいてから何度でセットしたいのかを決めてくださいね。
美容室ではお客様の髪の癖や状態によって温度を変えています!
美容師はセットする時に、たまに温度設定を変えながらセットしている時があります。
例えば、耳によく髪をかけてしまうとか、サイドの髪を触るのがクセの人の髪は、サイドのセットが大変取れやすいのです…
なので全体は160°ですが、サイドの髪だけ180°でセットする…という風にわけたりもします。
また、全体の癖はそこまで強くないから、全体は150°でストレートアイロンを使うけど、特に癖の強い前髪だけしっかり伸ばしたいから160°でセットする…という風に使います。
一度決めた温度設定で全てをセットしないといけないわけではないので、髪質やダメージに合わせて柔軟に変えたりしながら髪に1番いい温度を選びたいですね!
ヘアアイロンを使う前に知っておきたいこと
ヘアアイロンは絶対に乾いた髪に使用して下さい!!
ヘアアイロンを使う前は、コテであってもストレートアイロンであっても必ず乾いた髪に使用して下さい!!ここは声を大にしてお伝えしたい事です!!
何故かというと、濡れている髪は膨潤しています。つまり、少し膨れているのです。その状態の髪にあつあつのヘアアイロンをあてるわけです…イメージできますか?
例えるなら、たい焼きなど、あつあつの鉄板でプレスする粉物です…
しっかりと魚の形になりますが、皮はパリパリですよね?
食べ物でしたら美味しい!で終わりなのですが、髪だとそういうわけにはいきません。パキパキ、ゴワゴワの毛先になってしまうのです…。
傷めてしまった髪はトリートメントをしても戻りません。注意してください!
髪の毛もタンパク質でできているので、濡れた状態でヘアアイロンをするとタンパク質がヘアアイロンの熱によってカチカチに硬くなってしまいます。これをタンパク質変性と言います。一度タンパク質変性の起きた髪は、二度と元には戻りません!!いくらトリートメントをしてもです。
ですので、いくらスプレータイプのスタイリング剤だとしても、乾かしてからヘアアイロンを使用して下さい!!
せっかくキレイになるためにヘアアイロンをしても、それで髪が傷んでしまうのはとても残念ですよね…ぜひ気をつけて下さいね!!
ヘアアイロンを使った後に知っておきたいこと
ヘアアイロンをしっかりしたのに、すぐに崩れる…そんなことはありませんか?
さて、「キレイにヘアアイロンでセットができた!よし、終わり!」だと、実は勿体ないのです…。あなたはせっかくセットしたのに、数時間ですぐにセットが崩れてしまった…なんて経験はないでしょうか??
これは、髪の毛の温度に原因があります。
例えばコテなどのヘアアイロンの温度設定を160°でしたとします。セットが終わった直後の髪は単純に考えるとおよそ160°弱ですよね。
ポイントは、高温になった髪の温度を下げる事にあります!
コテで髪全体を巻くと、髪の熱がこもって頭全体が暑く感じますよね?これでは汗などで頭皮付近の湿度も上がり、蒸された状態のままです。この状態でいるとせっかくのセットもすぐに崩れてしまうのです…。
セット後に髪の毛を冷やしてあげることが長持ちのポイントです。
熱いヘアアイロンでスタイリングする事によって髪の形状が変わると思っている人がとても多いです。確かに、間違いではないのですが実は髪は熱い時よりも、熱くなった髪の温度が下がるその瞬間の方がしっかりとセットできるのです。
ですので、髪の毛自体の温度設定を低くする必要があります!
ですがこれはとても簡単にできますよ。ドライヤーの冷風などで髪の毛の熱を下げるだけです。たったこれだけで、髪の毛の熱が急激に下がり、しっかりとセットをキープできます。また、髪の毛の表面のキューティクルが閉まるため、ツヤツヤの髪になります。
注意としては、せっかくセットした髪なのでできれば弱風で、ドライヤーを持っていない方の手で髪を少し支えながら冷風をあててくださいね。何気なく美容師がサロンでやっている冷やすという行為には、きちんと訳があるのです!
おわりに
髪へのダメージは最小限にし、ヘアアイロンと上手く付き合っていって下さいね。
自宅で簡単に好きなセットが楽しめるコテ、ストレートアイロンなどのヘアアイロン。
温度設定の基本は理解して頂けましたか?友人にも、美容師にも今さら聞けない温度設定ですが一度知ってしまえばいろんな応用がききます。
髪のダメージにもしっかり注意しながら、崩れ知らずのセットを楽しんでくださいね!!